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長門丸(ながとまる)石垣解説-宇和島城石垣指南その1

印刷用ページを表示する 記事ID:0044003 更新日:2020年7月20日更新

寛文大改修の石垣の代表例!

長門丸石垣の画像1長門丸石垣の画像2

延長:約110m (絵図の青矢印部分) ◎赤矢印部分が城内一長く、約50mとなります!
高さ:7~8m
勾配:4寸5分勾配(約24度)
石材:砂岩 ◎宇和島ではよく採れる石です。

この石垣は17世紀後半頃に築かれたものと推測していますが、その特徴は角の部分によく表れています。鑿(のみ)できれいに整形された長方形の石材を、交互に向きを変えながら積み上げていく『算木(さんぎ)積み』と呼ばれる技法で築かれています。伊達家2代藩主宗利(むねとし)による寛文4年(1664)から寛文11年(1671)にかけての宇和島城大改修のものと考えています。

絵図
図1.江戸時代に描かれた長門丸の絵図

レーザー計測図
図2.レーザーで計測した立面図(絵図の青丸の場所)

匠の覚書

 角の部分を隅角部(ぐうかくぶ)、間の部分を築石部(つきいしぶ)と呼びます。さらに隅角部は角石(すみいし)と角脇石(すみわきいし)に、築石部は大きな石材の築石とその間を詰める間詰石(まづめいし)に分けられます。
これらの石の大きさ・形・加工や配分の度合いなどの特徴を見極めながら、年代を推測します。

隅角部の画像1
写真1.精巧な石材の綺麗な算木積みとなっている隅角部です。

鑿(のみ)打ちされた石材
写真2.鑿(のみ)打ちによるスダレ加工が施されている精巧な角石です。

矢穴のある築石
写真3.大きな石材を割った跡の矢穴(やあな)のある石材も多くみられます。

隅角部の画像2
写真4.登城道沿いの隅角部付近では海食や穿孔貝による穴のある石材が点在しています。