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小林朝治は旧町立(現市立)吉田病院の初代眼科医長として勤務する傍ら、吉田町の風景を木版画で表現した版画家としてよく知られていますが、油彩画も数多く残しています。今展では、油彩画を中心に版画も含め50点を展示しています。あわせて、同年代頃の吉田の景色を映した古写真も展示していますので、朝治が見たであろう景色を写真でもご覧ください。
小林朝治は本名を袈裟治(けさじ)と言い、1898(明治31)年、長野県須坂市に生まれました。その後、金沢医科大学に進学し眼科医となります。1927(昭和2)年1月に吉田病院初代眼科医長として赴任、1931(昭和6)年7月まで在任しました。朝治は学生時代から画を始め、医療のかたわら、町内各地を油彩画でスケッチして歩きました。陣屋町の歴史の足跡や、南国のおだやかな吉田の風物を画材としていとおしみ、人との繋がりを大切にしました。そして、畦地梅太郎の版画作品との出会いにより木版画を始め、「吉田風物画帖」を出版するなど、精力的な制作活動を続けました。郷里に戻ってからも、積極的に文化事業を企画、長野県内の版画普及活動に積極的に取り組むと同時に『吉田新報』への送稿し続けるなど、吉田の文化興隆にも大きく貢献しました。
今展は、吉田における近代文化創造者の一人として特筆される朝治の吉田時代の画業を、油彩画を中心に振り返るものです。
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