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市指定 河内口説

印刷用ページを表示する 記事ID:0002310 更新日:2019年3月12日更新

市指定無形民俗文化財

河内口説河内口説

  • 所在地 吉田町喜佐方
  • 所有者 河内口説保存会
  • 指定日 昭和六〇年八月二〇日

 口説というのは、伝統的な音楽(民謡など)で語りの部分、又は語るような調子をいう。それらは民謡に影響して口説節となり、各地の盆踊り唄にうたい継がれている。一般に、「踊口説」といわれているが、多くは叙事的歌謡を取り入れたものである。

 河内口説は、今からおよそ二五〇年前より伝えられており、初盆の新仏をとむらうため新仏の家で行われていた。また、豊作祈願に盆踊りで、奉納踊りとして八月一四日に大師堂(河内上)でも催されていた。

 現在は、新仏の家では語られていないが、喜佐方地区盆踊りと大師堂で期日を合わせて実施している。踊り手は、戦前から青年団が中心となり行っていたが、戦後衰えていった。昭和四六年頃、地区の有志により復活し、同四九年、保存会が結成され現在に至っている。

河内口説 口説きの音頭、形態等は、保存会の後継者育成により正確に伝えられている。ビデオ録画されたものも使い、盆踊りの一週間程前から、師匠役が中心となって練習している。

 踊りは二人のものから四人までに分かれるが、二〇以上の多くの場面をこなすので、踊り手の総勢は小学生から老人まで六四名にものぼる。唄や太鼓に携わる者も二〇名となる。

 踊りの内容は、源平の合戦で熊谷次郎が平敦盛を討つ場面の「熊谷敦盛」、忠臣蔵の一節「山崎街道」、「曽我兄弟」、「志賀団七」、「鞍馬下り」など、浄瑠璃や歌舞伎の一場面を踏襲したものが多い。

 多くの踊りを、踊り手の人数にわけ、その外題を列記すると次の通りである。

  1. 二人踊り
    1. 牛若弁慶
    2. 山崎街道
    3. 苧環
    4. 扇子踊り
    5. 二十四孝
    6. 後藤又兵衛
    7. 番隨院長兵衛
    8. 熊谷敦盛
    9. 笠踊り
    10. 太刀踊り
    11. 袖踊り
    12. 義経千本桜
    13. 一の谷兜軍記
    14. 太閤記十段目(8~14は子供踊り)
  2. 三人踊り
    1. 志賀団七
    2. め組の喧嘩
    3. 鞍馬下り
    4. 曽我兄弟
  3. 四人踊り
    1. 坊さん踊り

 少子高齢化の進行に伴い、後継者の育成や継承のための諸活動が難しい現状となっている。そのため、将来が危惧される点で、保存会は他の民俗芸能と同様の悩みをかかえている。


文化的景観
埋蔵文化財