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市指定 霊亀山大超寺本堂

印刷用ページを表示する 記事ID:0002229 更新日:2015年7月1日更新

市指定有形文化財(建造物)

霊亀山大超寺本堂

霊亀山大超寺本堂 一棟

  • 所在地 大超寺奥
  • 所有者 大超寺
  • 指定日 平成一二年三月八日

 大超寺はもと笹町に所在したが、慶長五(一六〇〇)年現在地へ移転して本堂を起工、同一〇年に完成したという。その後、享保年間(一七一六~一七三五)に改築されて現在に至る。慶長の創建部は内陣に残るが、現在の規模形式となったのは享保の改築時である。

 大超寺は浄土宗に属し、宇和四郡の本寺とされた有力寺院であった。その本堂は浄土宗寺院のなかでは特に規模が大きなものであって、江戸時代の浄土宗本堂を代表する遺構として全国的にみて価値の高いものである。

 本堂のほぼ中央に板敷の内陣を設け、その両脇に脇の間と位牌の間を配し、正面には広い畳敷の外陣と広縁を造っており、典型的な浄土宗本堂の平面形式を持っているが、この本堂では右(正面に向かって左)側面に座敷三室、左側面に入側を加え、そのために規模が大きくなっている。また内陣中心軸線上に向唐破風造(むこうからはふづくり)の向拝(こうはい)を造り、右側面の座敷の正面には式台を設けて切妻造妻入の玄関を突き出しており、左右対称とはならない書院造の殿舎風(でんしゃふう)の堂姿を形成している。

 内陣まわりの四本の円柱は直径四五cmの欅柱(けやきばしら)で、その柱径は全国の浄土宗本堂の中でもとりわけて太く、この本堂の特色となっている。

 その内陣柱は上部に粽(ちまき)を施し、台輪(だいわ)を廻して出三斗(でみつど)を置く。中備(なかそなえ)には平三斗(内陣側は亜麻組)一具と蟇股(かえるまた)二具を配す。来迎柱上には出組を置き、位牌間の方へ向けて海老虹梁(えびこうりょう)を架ける。そのほかの柱はすべて極上の栂(つが)材の角柱で、外陣まわりに舟肘木(ふなひじき)を置くほかは組物を用いない。

 天井は、内陣を折上格天井(おりあげごうてんじょう)、広縁を化粧屋根裏し、ほかを竿縁(さおぶち)天井とする。

 脇の間の欄間に透かし彫りの彫刻を加えることや、右奥室に床の間と平書院を近代に付加するなどの改造もみられるが、全体的に保存状態は良好であって、宇和島市を代表する寺院本堂の遺構である。

内陣欄間の装飾の画像
内陣欄間の装飾


文化的景観
埋蔵文化財