本文
市指定有形文化財(典籍)
河野氏一統系伝 二巻
河野氏一統系伝は、上下二巻の巻物で、幅二九cm、長さは両巻合わせて六〇mの大編である。
内容は、中世伊予最大の領主であった河野氏の実績をまとめた家譜で、上巻は河野氏の祖とされる孝霊天皇から鎌倉時代の河野通継までの事績。下巻は、弘安の役(一二八一)に出陣した河野通有から戦国末の河野通直までの事績をまとめ、一柳家、久留島家、中野殿河野氏の系譜が添えられている。
この一統系伝は、江戸時代後期の一八世紀末、中野殿河野氏(高森城主)の子孫である河野通茂の代の人物が、祖先顕彰・研究の目的で「豫章記」などの先行文献や同家に伝わる伝承をもとにまとめたものと考えられる。
中野殿河野氏の事績や系譜が挿入されていることで、三間町の地域史研究上活用できる史料的価値がある。
河野家系図 巻頭
河野家系図 巻末