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県指定 木造舞楽面

印刷用ページを表示する 記事ID:0002268 更新日:2015年7月1日更新

県指定有形文化財(工芸品)

木造舞楽面の画像1木造舞楽面 一面

  • 所在地 伊吹町
  • 所有者 八幡神社
  • 指定日 昭和四〇年三月二九日

 伊吹町の八幡神社は、神殿の前にある二本のイブキの古木(国指定天然記念物)が物語っているように、古い神社である。

 この神社に鎌倉時代の嘉元三(一三〇五)年の銘のある古い面があることは、ごく一部の人々にだけ知られていて、神楽の面だろうか、などといわれていた。

 当市出身の毛利久博士(元神戸大学教授・故人)の調査によると、この面が平安時代から鎌倉時代にかけて、神社や寺で盛んに行われた舞楽という音楽舞踊に用いられた面であること。(現在宮中や厳島神社などに伝わっている雅楽は、舞楽の後身である)舞楽のうちで散手面という勇壮な武人面で、およそ縦二三cm、横一六cm、厚さ一三cmである。キリ材を用い、面表は布ばり里漆、下地に朱漆を塗り、眼は箔押し、面裏は黒漆塗りとし、朱漆で「八幡大神宮散手面・・・嘉元三年乙巳九月」の銘がある。

木造舞楽面の画像2 鎌倉時代の作品で、力強く写実的で、豊かな人間味の表出が見られる。優れた本格的作風であって、国の重要文化財になっている厳島神社・春日神社・東大寺・誉田神社などの散手面につぐ貴重な作例であることが明らかになった。

 そこで、昭和三六年一一月三日最初の市指定文化財となり、さらに四〇年三月二九日には県指定有形文化財に指定された。


文化的景観
埋蔵文化財