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市指定 明源寺庭園

印刷用ページを表示する 記事ID:0002355 更新日:2015年7月1日更新

市指定記念物(名勝)

明源寺庭園明源寺庭園

  • 所在地 本町追手
  • 所有者 明源寺
  • 指定日 昭和三六年一一月三日

 明源寺は、もともと天正年間(一五七三~一五九一)に佐賀関(大分県)に建立された安楽寺であった。その後寺号を明源寺に改め文禄元(一五九二)年宇和島笹町に移り、さらに慶長二(一五九七)年現在地に移ったものである。この庭園は本堂回廊前(東側)にあり、前庭を海又は池と見立て背後の斜面を築山とした枯山水庭園で、移転後あまり年月の経過しない時期の作庭と思われる。

 前庭の中央に空間をとり、右手後方に荒い岩場風の石で囲んだ大小二つの中島を設け、庭の中縦二枚足のどっしりとした石灯篭ほどに富士山形の水分石を配して流れを表現している。左に離れて北向きに本堂回廊に沿いながら、飛石混じりの屈折した延段で進み、厚い石橋に至る。ここに置かれた石灯籠が異彩を放ち目をひく。さらに築山左側北麓の大きい石組を通り、中腹に登ると豪華な色石を使った三尊石がある。

 この小高い築山の平面は扇状で両端を緩い斜面とし、中ほどは等高線に沿った小段となっていて、頂部に遠山石を兼ねた献灯が置かれている。やや正面に下がると大きい守護石がある。山の右寄り斜面は緩い谷間となり大小の石を配して州浜に下っている。

 本庭園には多くの要素があると思えるが石組のバランスの美しさを追求し象徴化した手法など実によくしまって優れており、その閑寂・枯淡の趣は貴重なものである。

 植込は配石とよく調和しているが借景となる後部樹林が荒れ、築山景観を損なっている点は惜しまれる。


文化的景観
埋蔵文化財