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市指定 ゴウラ窯跡

印刷用ページを表示する 記事ID:0002352 更新日:2015年7月1日更新

市指定記念物(史跡)

ゴウラ窯跡ゴウラ窯跡

  • 所在地 津島町御内
  • 所有者 個人
  • 指定日 昭和六一年四月三〇日

 津島町御内大黒山山麓海抜三三〇mの険しい谷あいに古い窯跡がある。地元の人が炭焼窯をつくろうとして見つけたもので、地名の名を冠してゴウラ窯跡と呼ばれている。

 現在は植林地となり、窯の本体はほとんど崩壊していて燃焼室や焼成室構造は不明である。表面からの形跡や掘り下げた輪郭から推測すると焚口から煙道部まで四・〇m・最大幅二・五mの胴を膨らませた馬蹄形横焔式の平窯であったのではないかと思われる。焼成床は後ろ高の緩い傾斜をつけ、続く煙道部をすぼめてから山の斜面下部に設けた並列三箇所の煙道に導き、これより山の斜面内を潜らせて排煙する極めて稀な構造となっている。窯跡からは焼けた赤土や、高温で溶けた石片と叩き目の土師器質の壺片が発見できる。この築窯地は急斜面の中での僅かな小段を片切片盛して二段の平場をつくり、上段に窯を、下段に薪投入口と作業広場をもうけている。

 ここは人里離れた道も見当たらない隠れた山中で、そばには渓流があるものの何故不利な生産立地を選んだか、また窯体を丸型とし複雑な三連煙道としたその生産技術の伝播はいずれから来たものか等疑問が多い。

 この地域は、昭和四七年に調査した日本考古学協会会員、犬飼徹夫氏の報告によると、「この窯跡は平安後期から鎌倉期のもので、中世の窯業を知るうえで、県下でも数少ない大切なものである」と述べている。


文化的景観
埋蔵文化財