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「小西本家」は、岩松の商業的発展の中心的な役割を果たした「小西家」の一つです。小西家は17 世紀後半に藩の許可を得て、宇和島城下より岩松に移り住み、酒の製造を皮切りに、新田(塩田含む)開発、製塩、コメや木材取引などで巨万の富を得ました。小西家は早くから事業を分けて分家し、特に物流を中心の商いとする「東小西」家は小西本家と並び岩松の発展に寄与しました。その後、浜小西や南小西といった家も分かれていきます。
中でも「小西本家」の岩松における発展の影響力は多大で、戦前までの岩松地区の政治経済すべてを握っていたといっても過言ではありません。戦前の岩松の写真を見れば解りますが、現在の岩松地区の中心地を小西本家と東小西で占めています。
大正2年の岩松の町並み
現在、岩松川は町並みの正面を流れていますが、現在の流れになったのは江戸時代末期から明治初年にかけて行われた河川改修によるものです。それまでの岩松川は、集落を離れて蛇行するような形の流れで、それは古絵図などから確認できます。小西本家に伝わる史料によれば、新田開発が目的となっていますが、実際の目的は、 町域を広げて川港を南に移し川の舟運を利用して商いの更なる発展を狙ったと考えられます。家業の発展のために川の付け替え工事まで申し出て施工する経済力に、その当時の小西家のこの地域への影響力をうかがうことができます。
今では、小西本家に関わる施設は、川の眺めを楽しむことのできる「離れ(色ガラスの家)」と、川の舟運を利用するための「蔵」の一部が残っており、ともにワールド・モニュメント財団、フリーマン財団の支援により修復されています。
離れの内部 蔵の内部
小西本家離れ(色ガラスの家)の見学を希望される場合は、事前の申込(原則2週間前、それ以降は要相談)が必要です。
以下の申込書に必要事項を明記の上、E-mailにてお送りいただくか、申し込みフォームにご入力ください。 後日、担当者よりご連絡いたします。
見学所要時間:約20分
小西本家見学申込(申し込みフォーム)
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