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宇和島市歴史資料館の建物は、明治17年(1884)9月、宇和島広小路に「宇和島警察署」として建てられたものです。
昭和28年(1953)2月、南宇和郡西海町(現:南宇和郡愛南町)に移築され、同町の役場として平成2年(1990)1月までその役目を果たしていました。平成4年(1992)3月、市民の皆さんをはじめとするご協力によって宇和島に里帰りをし、住吉町の樺崎砲台跡そばに復元されました。建築様式は「擬洋風建築」に分類され、わが国の建築工匠達が明治初期に西欧建築の技術を習得した事実を今に伝えています。復元の際に行われた調査の結果によると、小屋組みの合掌には、隅合掌(すみがっしょう)や蕪束(かぶらづか)といった工法が見られる等、高い水準の建築技術が確認されました。これは建物の格調高い外観とともに、建築史上においても注目に値するものです。西日本における擬洋風建築物は少なく、当時の宇和島の先駆性を物語る歴史的価値の高い建物であるといえます。
平成8年(1996)12月26日:登録有形文化財(登録番号38-0001)登録
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