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平成30年7月豪雨で被災した立間公民館。本村川の氾濫により1階が水に浸かりました。建物の中には旧立間村時代から保存されている文書が保管されていましたが、その多くが水に浸かりました。
浸水により文書の大半が水に浸かった
立間公民館は、旧立間村役場跡に建てられました。近年までは村役場時代の文書蔵が敷地内に残っており、立間地区に関する文書などが多く保管されていました。明治初期から戦前までの地区の様子を記録したものもあり、当時のかんきつ農家の暮らしや産業発展の様子などを記録したものもあります。これまで立間地区の区会長が中心となり、防虫剤入れや虫干しなどの保存活動を続けていました。災害発生前には、文書目録もでき、館内の文書室で整理保管していました。
平成30年7月豪雨による被害を受けて、愛媛大学法文学部日本史研究室に事務局を置くボランティア団体「愛媛資料ネット」が、被災文書の修復作業に携わっています。
この団体は、平成13年の芸予地震を契機に設立され、大学教員や学芸員たちが歴史資料の保全活動に取り組んでいます。平成30年7月豪雨発生から1年8ヵ月が経過した今でも、毎週水曜日・木曜日に愛媛大学で修復作業を続けています。被災した資料のうち段ボール106箱分が回収され修復作業が続けられましたが、残り29箱の修復作業が残っています。
ページの間に新聞紙を挟み水分を抜く
愛媛資料ネットの一員として、立間村文書の修復作業に中心となって活動している宮本さんは、「明治時代の学校記録や戦後の青年団文集まで、地域の思い出となる資料を次の時代に残すことができた。引き続き、残りの文書も修復作業を進めていきたい」と話してくれました。
立間地区の皆さんと修復が終わった文書を再整理
※愛媛資料ネットの活動は申し込みをすれば誰でも参加できます。
定年まで市内の小中学校で教員を勤め、現在は本市の文化財保護審議委員として活動しています。教員時代から立間村文書の保存活動に携わり、平成30年7月豪雨以降は被災した文書の修復作業に携わっています。
広報うわじま 4月号 No.177より
(令和2年4月1日発行)