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数年前、宇和島への転勤が決まった時、友人がお金を出し合って、ペーパードライバーの私に電気自転車を贈ってくれた。宇和島の市街はとてもコンパクトで、自転車でほとんどの用事が足せ、ちょっと傾斜のある約600メートルのアーケード商店街でもとても重宝した。
田舎では車は生活必需品で、一家に2~3台ある家も沢山ある。あると便利だとは思っていたが、50才を超えて、今更運転技術を磨く気になれず、私よりずっと年上の方が普通に車を運転しているところを見ると、羨ましいやら、自分が情けないやら・・・。万一事故を起こして一生悔いるより、今のままでいいと自分を納得させていた。
ところがある時、人間、本当に必要に迫られる状況になると、意外と大きな壁もクリアできるほどの底力が湧いてくるものだなあと、驚かされることがあった。
その女性は宇和島市の山間地域にあるご主人の実家に、Uターンで移住されて来られたが、ご主人が亡くなられて、なんと60代で運転免許を取得された。年齢的にもさぞ大変だったと思うが、教習所の先生から「60なら60なりの運転がある。」との言葉を胸に、頑張って運転できるようになったとのことであった。自転車に乗れるようになったのも、移住してから庭先で練習を重ねたそうだから、チャレンジ精神は人並み以上であったと思う。
街中で催し物を開催した時、近所の老人達を車に乗せて駆けつけてくれた、あの明るい笑顔が今でも忘れられない。
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