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離婚後の子の養育に関する民法等改正(共同親権等)

印刷用ページを表示する 記事ID:0122730 更新日:2025年11月25日更新
 令和6年5月17日に、父母が離婚した後もこどもの利益を確保することを目的として民法等の一部を改正する法律が成立しました。
 この法律では、こどもを養育する親の責務を明確化するとともに、親権、養育費、親子交流などに関するルールを見直しており、令和8年4月1日に施行されます。

親権、養育費、親子交流などに関する民法改正のポイント

親の責務に関するルールの明確化

 親権や婚姻関係があるかどうかに関わらず、こどもを育てる責任と義務についてのルールが明確にされました。
  • こどもの人格の尊重
     こどもが心も体も元気でいられるように育てる責任があります。
     こどもの利益のため、意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。
  • こどもの扶養 
     こどもを養う責任を指します。こどもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。
  • 父母間の人格尊重、協力義務
     こどものためにお互いを尊重して協力し合うことが大切です。
     下記のようなことは、このルールに違反する場合があります。
    • 父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷等
    • 別居親が、同居親による日常的な監護に不当に干渉すること
    • 父母の一方が、特段の理由なく他方に無断でこどもの住む場所を変えること(※)
    • 父母間で親子交流の取決めがされたにもかかわらず、その一方が、特段の理由なく、その実施を拒むこと
      ※暴力等や虐待から逃げることはルールに違反しません。
    • 合理的理由なく学校行事参加や学校情報の共有を拒むこと  
     なお、違反した場合には親権者の指定または変更の審判、親権喪失または親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮される可能性があります。(法務省Webサイト「Q&A形式の解説資料(民法編)」)
  • すべてはこどもの利益のために
     親権はこどもの世話やお金や物の管理など、こどもの利益を守るために使わなければなりません。

親権に関するルールの見直し

 1人だけが親権を持つ単独親権のほかに、離婚後に父母2人ともが親権を持つ共同親権の選択ができるようになります。
  • 父母2人ともが親権を持つ共同親権の場合
     親権は、父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他方が行います。
     監護教育に関する日常の行為をするときは、親権の単独行使ができます。
     なお、父母の意見が対立するときには、家庭裁判所で、父母のどちらかが1人でその事項を決められるようにする裁判を受けることもできます。
     ※父母間の合意がない場合は裁判所が関与します。
日常の行為の例
日常の行為にあたる例(単独行使可) 日常の行為にあたらない例(共同行使)
  • 食事や服装の決定
  • 短期間の観光目的での旅行
  • 心身に重大な影響を与えない医療行為の決定
  • 通常のワクチンの接種
  • 習い事
  • 高校生の放課後のアルバイトの許可
  • こどもの転居
  • 進路に影響する進学先の決定(高校に進学せず就職するなどの判断を含む)
  • 心身に重大な影響を与える医療行為の決定
  • 財産の管理(預金口座の開設など)
  •  一方の親が決められる緊急のケース
     暴力や虐待から逃れるために引っ越すこと、病気やけがで緊急の治療が必要な場合などは、父母のどちらも1人で決めることができます。

     

養育費の支払い確保に向けた変更点

 養育費を確実に、しっかりと受け取れるように、新たなルールの創設やルールの見直しが行われました。
  • 取り決めの実効性アップ
     文書で養育費の取り決めをしていれば、支払いが滞った場合にその文書をもって一方の親の財産を差し押さえるための申立てができるようになります。
  • 法定養育費とは
     離婚時に養育費の取り決めがなくても、こどもと暮らす親が、こどもと暮らしていない親へ養育費を請求できる制度です。離婚後もこどもの生活が守られるように設けられました。養育費が決まるまでの暫定的、補充的なものです。
     ※父母間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。
  • 裁判手続きがスムーズに
     家庭裁判所は養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるために収入情報の開示をを命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえに関する手続きを行うことができるようになります。

安全、安心な親子交流の実現に向けた見直し

 親子交流や父母以外の親族との交流に関するルールが見直されました。
  • 親子交流の試行的実施
     家庭裁判所の手続き中に親子交流を施行的に行うことができます。家庭裁判所はこどものためを最優先に考え、実施が適切かどうかや調査が必要かなどを検討し実施をうながします。
  • 婚姻中別居の親子交流
     父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらない時は家庭裁判所の審判等で決めることがルールとなります。
  • 父母以外の親族とこどもの交流
     祖父母などとこどもとの間に親子関係のような親しい関係があり、こどものために必要があるといった場合は、家庭裁判所はこどもが父母以外の親族との交流を行えるようにできます。
 詳細については、下記法務省のホームページやパンフレットをご確認ください。

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