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教育長通信「あおぞら」vol.22 子どもたちの「やってみたい」を地域みんなで支える ~ 宇和島市の部活動地域展開~
中学校の部活動は、長年にわたり、子どもたちにとって大切な活動の場となっています。スポーツや文化芸術に親しむことはもちろん、仲間とともに目標に向かって努力すること、喜びや悔しさを分かち合うことなど、部活動を通して得られる経験は、子どもたちの成長に大きな役割を果たしています。
一方、少子化が進み、生徒数や教職員数が減少する中、これまでと同じ形で学校だけが部活動を支え続けていくことが難しくなっています。学校によっては、希望する部活動がない、人数が足りず十分な活動ができないといった状況も見られるようになりました。
そこで宇和島市では、将来にわたって、子どもたちが継続してスポーツや文化芸術活動に親しむことのできる環境をつくることを目指し、部活動の地域展開を進めています。令和8年度から、その取組は新たな段階に入りました。休日の学校部活動を地域で支える「みなし認定地域クラブ(コミュニティ・コーチ制度)の仕組みを整えるとともに、平日を含む活動の受け皿となる「認定地域クラブ」の認定も開始しました。試行錯誤しながらではありますが、地域の指導者や関係団体の皆様と連携した活動を進めています。
現在、認定地域クラブは12クラブ、コミュニティ・コーチ(CC)は56名、27の部活動が休日の「みなし認定地域クラブ」として活動しています。また、本年度は休日の部活動の約40%を地域展開し、令和9年度には約70%、令和10年度には休日の完全展開を目指しています。
こうした数字からも、宇和島市の地域展開が着実に動き始めていることを感じます。しかし、大切なのは「何%進んだか」ということだけではありません。地域展開によって、自分の学校にはなかった活動に挑戦したり、学校の枠を越えて仲間や指導者と出会ったりする機会が生まれます。子どもたちの選択肢を増やし、一人一人の「やってみたい」を実現できる環境をつくることこそ、この取組の大きな目的です。
もちろん、地域展開を進める中では、様々な課題も見えてきています。活動場所までの移動手段、活動場所の確保、指導者の確保、そして参加に伴う家庭の経済的負担などです。さらに、子どもたちの健康や生活とのバランスを考え、適切な活動時間や休養日を確保することも欠かせません。
こうした課題に対して、市では、移動支援の検討、学校施設を地域クラブが利用しやすくするための環境づくり、各種補助制度の充実など、一つ一つ具体的な方策を検討しています。また、活動時間や休養日についても、子どもたちにとって無理のない活動となるよう取り組んでいきます。
部活動の地域展開は、単に「学校の部活動を地域に移す」ことではありません。これまで学校が大切にしてきた部活動の教育的な意義を受け継ぎながら、学校、家庭、地域、関係団体、行政がそれぞれの力を持ち寄り、地域全体で子どもたちの成長を支える新しい仕組みをつくることが大切です。
そのために、本市が大切にしたいのが、各学校に設置している学校運営協議会の活用です。学校運営協議会には、これまでも学校と地域をつなぎ、地域とともに子どもたちを育てる大切な役割を担っていただいています。部活動の地域展開においても、地域の指導者や活動場所などの地域資源をつなぎ、学校と地域が力を合わせて子どもたちの活動を支える仕組みづくりにその力を生かしていきます。
地域展開を「学校から地域へ」と一方向の移行ではなく、学校運営協議会を生かしながら、「地域の子どもは、学校を含めた地域全体で育てる」取組へと発展させていく。これを、宇和島市らしい地域展開の一つの姿にしていきたいと考えています。
新しい取組だからこそ、最初から完成した形があるわけではありません。子どもたちや保護者、指導者、学校、地域の皆様の声を丁寧に聞きながら、よりよい仕組みへと育てていきたいと思います。
なお、宇和島市教育委員会のホームページでは、認定地域クラブの紹介や部活動地域展開通信など、地域展開に関する情報を随時発信しています。ぜひご覧ください。


