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教育長通信「あおぞら」vol.19 「未来につながる水泳授業を目指して」
今年度、宇和島市では城北中学校を対象に、水泳授業を民間事業者へ委託する実証事業をスタートさせました。学校教育の中で長年続いてきた水泳授業が、新しい形へと一歩踏み出したことになります。
この取組の目的は、学校教育を手放すことでは決してありません。むしろ、子どもたちの学習機会をこれからも守り続けるための挑戦です。他自治体と同様に、本市でも学校プールの老朽化が進んでいます。改修や維持管理には多額の費用が必要となり、さらに毎年の清掃や水質管理、安全点検など、教職員の負担も決して小さくありません。加えて、近年は猛暑や突然の豪雨など、天候の影響によって予定どおり授業を実施できないことも増えています。
こうした課題を踏まえ、今年度は民間プールを活用した授業を試行しています。屋内温水プールであるため、天候に左右されず年間を通して計画的に授業を実施できます。また、専門のインストラクターによる技術指導を受けられることは、子どもたちにとって大きな魅力です。泳ぎ方だけでなく、水に親しみ、安全に活動する力を育てることにもつながると期待しています。
もちろん、学校教育としての責任はこれまでと変わりません。教員も授業に参加し、子どもたちの様子を見守り、評価を行います。学校の教員と専門性を持つ指導者、それぞれの強みを生かした授業づくりが、この事業の特徴です。また、この取組は教員の働き方改革という視点からも大きな意味があります。施設管理や準備にかかる負担を軽減することで、子どもたち一人一人と向き合う時間や、より良い授業づくりに力を注ぐことができます。

先日、この授業を見学してきました。2時間続きのカリキュラムを編制し、移動にはスクールバスや事業者のバスを活用しています。プールでは、泳ぎに自信のある生徒も、少し不安そうな生徒も、それぞれの力に応じ、専門のインストラクターに丁寧に声をかけられながら学ぶ姿が印象に残りました。教員も生徒の様子を見守りながら、インストラクターと自然に連携していました。学校教育と民間の専門性が、それぞれの良さをつくり上げていることを実感しました。
教育は、子どもたちのためにあります。だからこそ、「これまでどおり」であることにこだわるのではなく、「子どもたちにとってより良い方法は何か」を考え続けることが、私たち教育に携わる者の責任だと考えています。
一方で、新しい取組には課題もあります。移動時間や運営方法、安全管理、費用対効果など、実際に取り組んで初めて見えてくることも少なくありません。だからこそ、この実証事業では現場の先生方や子どもたち、保護者の皆様、事業者の皆様の声を丁寧に受け止め、一つ一つ検証を重ねていきたいと思います。
教育は、「守るべきもの」と「変えるべきもの」の両方があります。子どもたちの学びを守るという軸は決して変えず、その実現のために必要な仕組みは柔軟に見直していくという姿勢を大切にしながら、宇和島市の教育の未来を築いていきます。



