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教育長通信「あおぞら」vol.16 節目をつなぐ一歩
この春、本市の教育の歩の中で、「節目」が次の「一歩」へとつながっていく場面に、私は何度も立ち会いました。
3月に行われた閉校式・閉園式のことが、今も心に残っています。三浦小学校、蒋淵小学校の閉校記念式典の校歌斉唱では、子どもたちの声に重なって、これまで学校を支えてこられた地域の皆さんの声がその思いとなって響いてきました。宇和津幼稚園の閉園式後に行った風船飛ばしには、隣接する小学校児童や地域の皆さんも参加し、空に舞い上がる風船をみんなで見守りました。「学校や園はなくなっても、ここで育まれたものは決してなくならない。」と強く感じました。終わることは寂しいことです。しかしその積み重ねは、地域の新たなつながりや次の学びへと確かに引き継がれていくことを実感しました。

一方で、この春の入学式では、まったく違う光景に出会いました。少し緊張した面持ちで入場してくる新入生の姿、名前を呼ばれて元気に返事をする声、そしてそれを見守る保護者の温かなまなざし。その一つ一つが、まさに「始まりの瞬間」でした。私が式場で見ていたのは、単なる一日の出来事ではなく、これから続いていく長い成長の物語の、最初の一ページなのだと感じました。

また今年度、本市では「宇和島市青少年交流センター ホリバタ」がリニューアルオープンしました。実際にホリバタを訪れ、これからここに若者が集い、語り合い、挑戦していく姿を思い浮かべたとき、自然と胸が高鳴りました。人との出会いは、新しい自分との出会いでもあります。この場所が、青少年にとって安心して過ごすことができる居場所であり、未来をデザインする力を育む場になることを心から願っています。
さらに、遠隔地から市内県立高校や中等教育学校への入学を希望する生徒のための学生寮を整備しました。新しい環境に身を置くことは、決して簡単なことではありません。不安もあると思います。けれども、この経験はこれからの人生において必ずや役に立つことと思います。「一歩を踏み出す経験」がその後の人生を大きく支えている姿を私は何度も見てきました。この学生寮での生活もまた、かけがえのない学びの時間となることでしょう。

こうして振り返ると、教育の歩みには、「終わり」と「始まり」が重なり合う場面が数多くあります。何かが終わるとき、そこには次へとつながる意味があり、新しく始まるときには、すでにその先へと続く道が開かれています。
子どもたち一人一人が、それぞれの節目の中で、自分らしく歩み続けていけるように。そして、多様な人とつながりながら、自らの未来を切り拓いていけるように。本市はこれからも、「人づくり・つながりづくり・地域づくり」を大切にしながら、包摂的で持続可能な教育の実現に取り組んでまいります。
「節目をつなぐ一歩」。その一つ一つの瞬間に込められた意味を大切にしながら、子どもたちの未来を地域とともに支えていきたい。それが、今の私の率直な思いです。


