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教育長通信「あおぞら」vol.13 自分の目で
新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年、令和8年(2026年)は「丙午(ひのえうま)」の年です。私たちは時として、根拠のない迷信や古くからの言い伝えに惑わされてしまうことがありますが、その一例が「丙午」という言葉に込められた昔の考え方ではないでしょうか。
私たちは、多様な価値観が尊重される現代に生きています。その中で重要なのは、「事実を自分の目で見て、感じ、考える力」を育むことです。迷信や思い込みに振り回されるのではなく、実際に体験し、正しく判断する姿勢を持つことで、より良い選択ができるようになります。そしてその積み重ねが、自分らしい人生をつくる原動力となるのです。
教育の場においても、「事実を見極める力」を子どもたちに育んでいくことが求められています。先入観や偏見を超えて、新しい価値を発見する力、未来を切り拓く力を育んでいきたいと思います。私たち一人一人が、自分自身の可能性を信じ、明るく前向きに歩むことで、より豊かで希望にあふれた社会を築くことができるでしょう。

さて、1月2日に「二十歳のつどい」が開かれました。会場には、私の教員時代の教え子たちもおり、華やかな振り袖やスーツに身を包み、晴れやかな表情を見せていました。中でも、校長として勤務した小学校で当時6年生だった子どもたちのことはとても印象に残っています。
壇上から参列した若者たちを見ていて、そのときの卒業式で述べた式辞のことを思い出しました。
今回、新しい門出を迎られた全てのみなさんに、新年のご挨拶に代えて、当時の式辞をご紹介させていただきます。
「式辞」
優しく穏やかな宇和海が、やわらかな陽ざしを浴びて目映く輝いています。段畑を遠くに望む魚見の丘近くの菜の花が、風に揺れています。確かな春のおとずれを感じる今日この頃です。
この良き日に、多数の御来賓の皆様、並びに、保護者・地域の皆様をお迎えして、平成29年度の卒業式を、このように盛大に行うことができますことを、心から厚く御礼を申し上げます。
卒業生のみなさん、『ご卒業 おめでとうございます』
今、みなさんが手にした卒業証書は、小学校6年間における教育を修了した証です。
いよいよ4月からは中学生です。本校で学び培った力を礎に、新しい門出に向かって力強く一歩を踏み出すみなさんの前途を祝福し、三つの言葉を贈ります。
一つ目は、「挑戦」です。
人はなぜ、挑戦するのでしょうか。それは、なりたい自分になるためです。初めてのことをするときは、誰もが勇気がいります。けれども、そこで立ち止まらず、夢や目標を持つことで、自分を磨き、前に進んでいくことができるのです。
二つ目は、「継続」です。
マリナーズに復帰することが決まったイチロー選手が、「結果が出ないとき、どういう自分でいられるか、決してあきらめない姿勢が、何かを生み出すきっかけをつくる。」と言っています。小さなことをこつこつと続けていくことで、その夢や目標は達成されていくのです。どんなときも自分の志を高く持ち、一人一人が自分の人生を切り拓き、たくましく歩いていってくれることを心から祈っています。
三つ目は、「感謝」です。
平昌オリンピックで活躍した多くの選手が、インタビューで、家族や仲間、応援してくださった方々などへの感謝の気持ちを表していました。オリンピック2連覇を成し遂げた羽生結弦選手は、「一人で頑張れる人なんていない。たくさんの人に支えられて生きてきました。」と述べています。
みなさんが、今こうしてあるのも、ご家族や地域の方々、先生や友達など、多くの人の支えや励ましがあったからです。みなさんは、いつもふるさとの人々に温かく包み込んでいただいているのです。常に、自分が周りの人々とのかかわりの中に生かされていること、言い換えれば、決して一人ではないことを胸に刻み、そのことに感謝し、自信と誇りをもって生きてください。
中学生時代は、心も体も一段と成長する時期です。それと同時に多くの悩みや困難に出会う時期でもあります。そんなときこそ、家の人や先生に相談してください。きっとみなさんの力になってくれることでしょう。そして、みなさんが、周りの人も自分自身も大切にできる人、お互いの命や人権を尊重できる人に成長してほしいと願っています。中学校での、みなさんの活躍と健闘を、心から祈っています。
卒業生のみなさんの前途に、幸せ多いことを祈り、式辞といたします。

結びになりますが、本年が皆様にとって健やかで穏やかなよい一年でありますことを祈念いたします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。


