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教育長通信「あおぞら」 vol.3 つながることの大切さ
前回、宇和島市の姉妹都市である長野県千曲市、ハワイ州ホノルル市とのつながりについてお伝えしましたが、今回は、今年姉妹都市提携50年の節目を迎える宮城県仙台市との交流についてご紹介します。
伊達62万石の城下町として栄え「杜の都」と呼ばれている仙台市は、人口100万人を超える政令指定都市であり、東北地方の経済・文化の中心として躍進しています。仙台藩の伊達政宗の長庶子・秀宗が宇和島藩に入封したという歴史的関係を基に、昭和50年、歴史姉妹都市として提携しました。(本市ホームページより引用)仙台市において、「えひめ宇和島歴史姉妹都市フェア2025~姉妹都市提携50周年記念~」が開催されたり、互いの市を訪問したりするなど、友好関係を築いています。
学校教育の場においては、本市の鶴島小学校と岩松小学校の4年生が、仙台市立東二番丁小学校の4年生と二度にわたってオンラインでの交流授業を行いました。昨年11月28日に行った1回目の交流授業では、東二番丁小学校の子どもたちが「ずんだ餅・雄勝硯・鳴子こけし」等名産品や「鳴子温泉・仙台七夕まつり・栗駒山・青葉城」等の観光地や行事を紹介してくれました。
そして、2月14日に2回目の交流授業を行いました。この日は、鶴島小学校と岩松小学校の子どもたちが宇和島の紹介をしました。鶴島小学校の子どもたちは「みかん・じゃこ天・養殖・闘牛・牛鬼祭り・宇和島市」について、岩松小学校の子どもたちは「岩松の町並み・南楽園・真珠・六宝・善助餅・しらおう祭り・五ツ鹿踊り」について、タブレットを活用し、クイズやダンス等も織り交ぜながら楽しく紹介をしてくれました。
子どもたちが一生懸命調べて、分かりやすくまとめたものを自分の言葉で伝える姿は、とてもすばらしいものでした。私自身初めて知ったこともあり、子どもたちの探究力の高さに感心しました。東二番丁小学校の子どもたちだけでなく、鶴島小学校や岩松小学校の子どもたちにとっても、宇和島の新たな魅力を知り、宇和島をもっと好きになるよい機会となりました。二度の交流を通じて、宇和島市と仙台市の距離がより近くなった気がします。オンラインを終える際、いつまでも名残惜しそうに手を振る子どもたちの姿が印象的でした。
また、この日は、給食の時間に仙台市の郷土料理が提供されました。「笹かまぼこの磯辺揚げ」と「温麺汁(うーめんじる)」です。「笹かまぼこの磯辺揚げ」は、白身魚をすり身にして手のひらで笹の形にして焼いたかまぼこを小麦粉と青のり、塩、水で作った衣をつけて揚げました。温麺(うーめん)は小麦粉と塩で作られています。約400年前、白石(しろいし)の城下町にいた青年が、胃腸が弱く食欲がなかった父に消化の良い麺を勧めると、父の食欲は増し症状も回復しました。その話を聞いた白石のお殿様は「人を思いやる温かい心を持つ麺」という意味を込め、「温麺(うーめん)」と名付けたそうです。この日のために、宇和島市と仙台市の栄養教諭が相談・連携しながらメニュー試作を行ったと聞いています。
私が昨年9月まで勤務していた宇和津幼稚園の子どもたちもおいしくいただきました。栄養教諭の先生方、また、給食センターの皆様、どうもありがとうございました。
このように、本交流授業は、宇和島市議会や各学校の先生方のご尽力によって叶えられました。心から感謝申し上げます。今後も、仙台市との交流が様々な形で広がり、深まっていくことを願います。