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令和4年度 30年目のラブレター受賞作品の紹介

印刷用ページを表示する 記事ID:0080365 更新日:2023年2月24日更新

      真珠のささやき

 

『なんだか陰気臭い人だなぁ』私の貴方への第一印象がそれ。 

『えらい気の強そうな女だな』貴方の私への第一印象はそれ。

私35歳、貴方39歳。 貴方との出会いはお見合い。

第一印象はお互いとも、良くはなかった。

私にしたら、この人ちょっとな、で断るつもりが、間に入ってくれた仲人から、

「もう一遍会ってみたら? 人間、一度会ったぐらいじゃわからんのよ」

その言葉に背中を押され、もう一度貴方に会ったけど…。お義理のデートでは話も弾まなかった。

そんな貴方から誘われ、帰り際に入った喫茶店で、貴方がいきなり小箱を差し出してきた。

開けてみると真珠のブローチがあった。

「僕の方はいいですから……そちらさえよければ」

予想外のプロポーズ!

驚くと同時に即答はできなかったので、

「いやこれは……」

一旦、返そうとすると、

「いや……いいですから、どうぞ」

言われるままに受け取って帰宅した。

「まぁこんなことしてくれる人はおらんよ。いい人やないの」

母の言葉と真珠のブローチに背中を押され、私は福岡から、この愛媛へと嫁いだ。

四国の見知らぬ土地で、習慣も風習も違う暮らし。さらに暮らしてみると、こんな人だったのか、と思うことも多々あった。それは貴方にすれば「お互い様や」と言うだろうけど。

もう福岡の実家に帰る!と思うその度に、貴方は宇和島の真珠会館へと私を連れて行く。陳列された真珠製品の数々を目にすると、なぜか心が安らいでいくのを感じる。

この真珠から私達夫婦の歴史が始まったのか、と思うと不思議と陳列された真珠たちが

『ここで夫婦の歴史を終わらせてしまうのは、もったいないですよ』とそう、私にささやきかけてくる。

なぜかこの美しい真珠たちにも申し訳ない、そんな気にもなる。

真珠たちからのエールを背に、貴方との縁を途切れさすことなく紡いでいき、一男一女にも恵まれた。

気が付けば2021年に結婚30年、真珠婚式を迎えた。

「よう、もったなぁ」

貴方は一言言った。

「そら私の頑張りがあったからよ」

そういう私に貴方は、

「何言いようか。俺の方が相当我慢しとうぞ」

結婚は我慢と忍耐だと人は言う。結婚前はお互いを両目で見て、結婚後は片目を閉じて相手を見ろ、とも言う。

これからお互いを片目で見あって、二人で合わせて両目になる、ぐらいで夫婦はちょうどいいのかなとも思う。

これから共に長生きし、20年後のその先の式は金婚式かな。

ね、あなた。

 

優秀賞を受賞されたご夫婦には、記念品として宇和島真珠製品を贈らせていただきました。

 

真珠ネックレス・ピアス  

真珠のネックレスとピアス

 

真珠ネクタイピン

真珠のネクタイピン

この度のラブレターが良い機会となり、これからのお二人の人生が夢と希望に満ち溢れたものとなりますよう、心からお祈りしております。

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