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令和3年度 30年目のラブレター受賞作品の紹介

印刷用ページを表示する 記事ID:0080364 更新日:2022年10月11日更新

     いつも一生懸命な千絵ちゃんへ

 
 

二つの仕事を掛け持ちして、いつも頑張っている千絵ちゃん。ご苦労様。

朝食の短い時間に、昨日の出来事や大好きなベイスターズの話を聞かせてくれるよね。時々聞き流してしまってごめんね。でも思うんだ。千絵ちゃんは、やっぱり一生懸命な人だって。

もうあれから33年も経つんだね。僕たちは同じ職場の同僚として出会った。実はね、千絵ちゃんが配属される時、総務部長のIさんが、こっそり履歴書をみせてくれたんだ。そんな事はそれきりだったし、どうしてその時に限って見せてくれたのかも分からない。もしかすると、神様が計らってくれたのかな。

慣れない仕事で、覚えることも沢山あった千絵ちゃんは、毎日一生懸命だった。気持ちが高ぶって、泣き出してしまったところを見たこともある。そんな姿が僕にはとても愛おしく思えて、あなたに惹かれていった。

付き合い始めると、千絵ちゃんは恋愛に一生懸命だったね。空いている時間を見つけては、いつも一緒にいたがった。正直に言うと、あなたのそんな性急さやパワーに戸惑うこともあった。だけどその勢いがあったから結婚できたんだね。

結婚して暫くした頃、あなたの一途さに、とうとう僕が追いつけなくなってしまった。あの時は、本当に辛い思いをさせてしまったね。ごめんなさい。でもその後、2人で互いの気持ちを少しづつ重ね合わせていった。そしてそれが絆になった。

それからは2人の娘にも恵まれて、慌ただしくも賑やかな日々を送った。シンガポールで過ごした2年間は、家族の宝物。よく食べ歩きに行ったよね。お陰で僕はふとっちゃったけど。

子ども達も成人して、それぞれの人生を歩み始めている。千絵ちゃんと二人の暮らしにまた戻るのも、もうすぐだね。

そうそう、最近撮った2人の写真を見て気づいたことがある。穏やかな表情がよく似ているんだ。夫婦は長く連れ添うと、顔がよく似てくるというけど、本当だね。何故だかそれが、たまらなく嬉しい。

千絵ちゃん、これまで本当にありがとう。あなたの懸命で誠実な愛が、どれだけ僕の人生を彩りに満たし、数々の感動に巡り合わせてくれたか。あなたの愛に、僕は応えられているのかな。でもこれだけは自身を持って言える。僕は千絵ちゃんが大好きだ。これからもずっと。

コロナが明けたら、前から話をしていたチエスキークルムロフに行こうね。中世そのままの街並みを、2人で手をつないで歩きたいな。

 

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