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その時私は、これまで経験したことのない熱気に包まれ、目の前の光景に釘付けになりました。
場所は鹿児島県徳之島の闘牛場。現在6県9地域で闘牛文化が受け継がれ、年1回、持ち回りで全国闘牛サミットが開催されています。今年度は徳之島の伊仙町が担当でしたが、闘牛たちの頑張りは本市も引けを取らないものの、会場全体の雰囲気や構成が異次元でした。ちょうどチャンピオン戦が組まれていたこともあってか、当日は3千人を超える観客が駆けつけ、試合前から会場内は熱気に満ちあふれていました。まずは各陣営の応援団がそれぞれ太鼓やラッパを鳴らしながら入場。土俵内を埋め尽くさんばかりに押し寄せてくる人の数と、その多くが子どもたちだったことに驚きました。また、観客席の大人たちはそれに呼応するように指笛で応戦。試合が決すると勝利した陣営は再び土俵内を埋め尽くし、全員が両手を突き上げながら「ワイド!ワイド!」(やったーという意)という島独特の言葉を連呼して、喜びを分かち合っていました。
一口に闘牛と言ってもさまざまな形があり、それらを含めて闘牛文化。それぞれの良さを生かしながら未来へつなげていけたらいいと思います。