○宇和島市太陽光発電設備の設置及び管理に関する条例
令和2年3月25日
条例第22号
(目的)
第1条 この条例は、太陽光発電設備の設置が災害の防止をはじめ、自然環境・景観及び生活環境等(以下「自然環境等」という。)に及ぼす影響に鑑み、太陽光発電設備の適正な設置、維持管理及び廃止並びに廃止後の有効な跡地利用を促進し、もって市民の生命及び財産の保護を図るとともに、良好な自然環境等を保全し、公共の福祉に寄与することを目的とする。
(1) 太陽光発電設備 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号。以下「法」という。)第2条第2項の再生可能エネルギー発電設備であって、同条第3項第1号の太陽光を再生可能エネルギー源とするものをいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。
ア 道路標識等と一体となっているものであって、国又は地方公共団体が設置するもの
イ 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号の建築物の屋上等に設置するもの
ウ 電気事業者その他の者に電気を供給しないもの
(2) 事業 太陽光発電設備を設置(太陽光発電設備の設置に伴う木竹の伐採及び切土、盛土、埋立て等の造成工事を含む。以下同じ。)して発電を行う事業をいう。
(3) 事業者 事業を実施する者(契約により事業の実施を請け負う者を含む。)をいう。
(4) 特定事業 事業のうち、法第9条第4項の経済産業大臣による再生可能エネルギー発電事業計画の認定を受けて実施するものであって、次のいずれかに該当するものをいう。
ア 発電出力の合計が10キロワット以上の太陽光発電設備(実質的に同一又は共同の関係にあると認められる事業者が同時期若しくは近接した時期又は近接した場所に設置する太陽光発電設備の合算した発電出力が10キロワット以上となるもの又は既に事業を実施している事業者が太陽光発電設備の変更を行う場合であって、当該変更後の発電出力の合計が10キロワット以上となるものを含む。)
イ 事業の用に供する土地の区域(以下「事業区域」という。)における高低差が13メートルを超えるもの
ウ 事業区域内の傾斜度が25度以上のもの
(事業者の責務)
第3条 事業者は、事業の実施に当たり、この条例及び関係法令を遵守し、事業区域の周辺区域の住民の理解を得るとともに、事業区域の災害の防止及び自然環境等の保全のために必要な措置を講じなければならない。
2 事業者は、事業の実施に係る苦情及び紛争が生じたときは、誠意をもってその解決に当たらなければならない。
3 特定事業を実施する事業者は、計画的に資金を積み立てること等により、次に掲げる費用を確保しなければならない。
(1) 太陽光発電設備の維持管理その他特定事業の実施に要する費用
(2) 太陽光発電設備の撤去その他特定事業の廃止に要する費用
(土地所有者等の責務)
第4条 土地の所有者、占有者及び管理者は、災害の発生を助長し、又は自然環境等を損なうおそれがある事業を行う事業者に対して、土地を使用させることのないよう努めなければならない。
(事業禁止区域)
第5条 何人も、次に掲げる区域(当該区域に事業区域の一部が含まれる場合における当該事業区域の全部を含む。以下「事業禁止区域」という。)において、事業を実施してはならない。
(1) 自然公園法(昭和32年法律第161号)第2条第2号に規定する国立公園及び同条第4号に規定する都道府県立自然公園の区域
(2) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第11条第1項第2号に規定する公園及び緑地として都市計画に定めた区域のうち未供用区域の地域(国又は地方公共団体等が所有する区域を除く。)
(3) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第7条第1項に規定する土砂災害警戒区域及び同法第9条第1項に規定する土砂災害特別警戒区域
(4) 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第3条第1項に規定する地すべり防止区域
(5) 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項に規定する急傾斜地崩壊危険区域
(6) 都市計画法第8条第1項第1号に規定する第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域及び商業地域
(特定事業の許可)
第6条 事業禁止区域外において特定事業を実施しようとする事業者は、あらかじめ当該特定事業に係る規則で定める事業計画(以下「事業計画」という。)を定め、市長の許可を受けなければならない。
(事前協議)
第7条 前条第1項の許可の申請をしようとする事業者(以下「申請予定者」という。)は、あらかじめ規則で定めるところにより、事業計画について市長と協議しなければならない。
2 申請予定者は、太陽光発電設備を設置しようとするときは、当該太陽光発電設備を設置しようとする日の60日前までに前項の規定による協議を行わなければならない。
(周辺住民等への事前周知)
第8条 申請予定者は、規則で定めるところにより特定事業の事業区域の周辺住民等(以下「周辺住民等」という。)に対し説明会を開催し、事業計画を周知しなければならない。
2 周辺住民等は、申請予定者から前項の説明会の開催の申出があったときは、誠意をもって対応することとする。
3 申請予定者は、周辺住民等から事業計画に係る意見の申出があったときは、規則で定めるところにより、その者と誠意をもって協議しなければならない。
(地元団体等からの意見聴取)
第9条 申請予定者は、規則で定めるところにより、周辺住民等で構成される地元団体等(以下「地元団体等」という。)と事業計画について協議し、意見を聴取しなければならない。
2 地元団体等は、申請予定者から前項の協議の申出があったときは、誠意をもって対応することとする。
3 申請予定者は、第1項の協議の状況について、規則で定めるところによりその結果を市長に報告しなければならない。
(事前協議内容の変更)
第10条 申請予定者は、第7条第1項の規定による協議を行った事業の内容を変更しようとするときは、書面により市長と改めて協議しなければならない。ただし、変更しようとする内容が規則に定める軽微なものであるときは、この限りでない。
2 申請予定者は、前項の規定による協議を行う前に周辺住民等及び地元団体等に対して、変更しようとする内容等を説明しなければならない。
(協定の締結)
第11条 申請予定者は、発電出力の合計が50キロワット以上の太陽光発電設備(実質的に同一又は共同の関係にあると認められる事業者が同時期若しくは近接した時期又は近接した場所に設置する太陽光発電設備の合算した発電出力が50キロワット以上となるもの又は既に事業を実施している事業者が太陽光発電設備の変更を行う場合であって、当該変更後の発電出力の合計が50キロワット以上となるものを含む。)を設置しようとする場合は、第9条第1項の規定による協議及び意見聴取を行った後に、当該地元団体等と書面による協定を締結しなければならない。
2 申請予定者は、地元団体等と前項の協定を締結した後に事業の内容を変更しようとする場合は、当該地元団体等と改めて協議するとともに、当該協定を見直さなければならない。
3 申請予定者は、太陽光発電設備を第三者に譲渡し、又は貸し付けようとするときは、譲り受ける者又は借り受ける者に対し、第1項の規定により締結した協定の効力を承継させなければならない。
(1) 第6条第2項の規定により申請を行った事業者が次のいずれにも該当すること。
ア 特定事業を実施するために必要な資力及び信用があると認められること。
イ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団又は同条第6号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)若しくは暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者の統制下にないこと。
ウ 特定事業の実施に当たり違法又は不正な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がないこと。
エ 第19条の規定により許可を取り消されている場合は、その取消しの日から5年を経過していること。
(2) 事業計画が、規則で定める基準に適合するものであること。
2 市長は、第6条第1項の許可に当たり、災害の防止及び自然環境等の保全のために必要な条件を付することができる。
(工事着手の届出)
第13条 第6条第1項の許可を受けた事業者(以下「特定事業者」という。)は、太陽光発電設備の設置工事(事業区域を工区に分けたときは、工区に係る設置工事。以下同じ。)に着手するときは、あらかじめ規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。
(工事完了の検査)
第14条 特定事業者は、前条の設置工事を完了したときは、規則で定めるところにより市長の検査を受けなければならない。
(変更の許可等)
第15条 特定事業者は、第6条第1項の許可に係る事業計画を変更しようとするときは、規則で定めるところにより、あらかじめ市長の許可を受けなければならない。
2 特定事業者から事業区域内の太陽光発電設備の所有権その他特定事業を実施する権原を取得した者は、市長の承認を受けて、当該特定事業者が有していた第6条第1項の許可に基づく地位を承継することができる。
(保全義務)
第17条 特定事業者は、災害の防止又は自然環境等の保全における支障が生じないよう、特定事業により設置された太陽光発電設備及び事業区域について、常時安全かつ良好な状態を維持しなければならない。
(4) 太陽光発電設備の設置工事に着手した後に、1年以上引き続き工事を施行していないとき。
(5) 第12条第1項第1号の規定に該当しないと認められるに至ったとき。
(6) 第15条第1項の許可を受けずに事業計画を変更し、特定事業を実施したとき。
(7) 前条の規定による命令に違反したとき。
(8) 法第14条又は第15条の規定により、法第9条第4項の経済産業大臣による再生可能エネルギー発電事業計画の認定の効力を失い、又は取り消されたとき。
(処分等に関する意見聴取)
第20条 市長は、次に掲げる命令又は処分(以下「処分等」という。)をしようとする場合は、当該処分等に係る事業者に対し、あらかじめ期日、場所及び内容について通知した上で、当該事業者から意見の聴取をしなければならない。ただし、事業者が意見の聴取に応じない場合は、意見の聴取を行わないで処分等を行うことができる。
(1) 第18条の規定による停止命令又は措置命令
(2) 前条の規定による許可の取消し
2 前項の意見の聴取に係る手続について必要な事項は、市長が別に定める。
(特定事業の廃止等)
第21条 特定事業者は、特定事業を廃止しようとするときは、法第11条の規定による事業の廃止の届出の前に市長に届け出なければならない。
2 特定事業者は、前項の規定による届出を行ったときは、事業計画に基づく適正な措置を講じなければならない。
(指導及び助言)
第22条 市長は、事業者に対し、事業の適正な実施のために必要な指導及び助言を行うものとする。
2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人から提示の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(委任)
第27条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
第1条 この条例は、令和2年7月1日から施行する。
(第5条の事業禁止区域に係る経過措置)
第3条 施行日前に太陽光発電設備の設置工事に着手している特定事業については、同日以後に事業計画の変更が行われるまでの間は、第5条の規定は、適用しない。
2 市長は、この条例の施行の際に特定事業を実施している事業者が有していた事業計画の内容等を把握するため、第23条第1項の規定による報告若しくは資料の提出の求め又は立入調査の権限を適切に行使するものとする。
(第6条第1項の特定事業の実施に係る許可についての経過措置)
第5条 施行日前に太陽光発電設備の設置工事に着手している特定事業については、第6条第1項の許可を受けていないことをもってこの条例に違反しているものとは扱わないものとする。
(第12条第1項の許可基準の遵守に関する経過措置)
第6条 施行日前に太陽光発電設備の設置工事に着手している特定事業については、同日以後に事業計画の変更が行われるまでの間は、第12条第1項の規定は、適用しない。
(第21条の特定事業の廃止に係る届出等についての経過措置)
第7条 第21条の規定は、太陽光発電設備の設置工事に着手した時期にかかわらず、全ての特定事業を実施している事業者について適用するものとする。
(第26条の関係機関等との情報共有についての経過措置)
第8条 第26条の規定は、太陽光発電設備の設置工事に着手した時期にかかわらず、全ての事業者について適用するものとする。
附則(令和4年3月22日条例第13号)
この条例は、令和4年4月1日から施行する。