○宇和島市伝統的建造物群保存地区保存条例
平成31年3月25日
条例第6号
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第143条第1項の規定に基づき、本市が都市計画に定める伝統的建造物群保存地区に関し、現状変更の規制その他その保存のため必要な措置を定め、もって本市の自然、文化、歴史、産業等の継承及び地域の振興を図るとともに市民の文化的向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「伝統的建造物群」とは、法第2条第1項第6号に掲げる伝統的建造物群をいう。
2 この条例において「伝統的建造物群保存地区」とは、法第142条に規定する伝統的建造物群保存地区(以下「保存地区」という。)をいう。
(保存活用計画)
第3条 宇和島市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第19条の規定により保存地区に係る都市計画の決定があったときは、第11条に規定する審議会の意見を聴いて当該保存地区の保存と活用に関する計画(以下「保存活用計画」という。)を定めなければならない。
2 前項の保存活用計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 保存地区の保存と活用に関する基本計画に関する事項
(2) 保存地区内における伝統的建造物群を構成している建築物その他の工作物(以下「伝統的建造物」という。)及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件(以下「環境物件」という。)の決定に関する事項
(3) 保存地区内における建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)及び環境物件の保存整備計画に関する事項
(4) 保存地区内における建築物等及び環境物件に係る助成措置等に関する事項
(5) 保存地区の保存のため必要な管理施設及び設備並びに保存地区の環境の整備に関する事項
3 教育委員会は、第1項の保存活用計画を定めたときは、これを告示しなければならない。
(現状変更行為の規制)
第4条 保存地区内において、次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、市長及び教育委員会の許可を受けなければならない。
(1) 建築物等の新築、増築、改築、移転又は除却
(2) 建築物等の修繕、模様替え又は色彩の変更でその外観を変更することとなるもの
(3) 宅地の造成その他の土地の形質の変更
(4) 木竹の伐採
(5) 土石類の採取
(6) 水面の埋立て又は干拓
(1) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
(2) 次に掲げる工作物(建築物以外の工作物をいう。以下同じ。)の新築、増築、改築、移転又は除却
ア 仮設の工作物
イ 水道管、下水道管、井戸その他これらに類する工作物で地下に設けるもの
(3) 次に掲げる木竹の伐採
ア 間伐、枝打ち、整枝等木竹の保育のため通常行われる木竹の伐採
イ 枯損した木竹又は危険な木竹の伐採
ウ 森林病害虫等防除のための木竹の伐採
エ 自家の生活の用に充てるために必要な木竹の伐採
オ 仮植した木竹の伐採
(4) 前3号に掲げるもののほか、次に掲げる行為
ア 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為
イ 愛媛県公安委員会が行う道路標識等の設置又は管理に係る行為
ウ 農林漁業を営むために行う行為。ただし、次に掲げるものを除く。
(ア) 建築物等(仮設の工作物を除く。)の新築、改築、増築、移転又は除却
(イ) 用排水施設又は幅員が2メートルを超える農道若しくは路肩部分及び屈曲部又は待避所として必要な拡幅部分を除く部分の幅員が3メートルを超える林道の設置
(ウ) 宅地の造成又は土地の開墾
(エ) 森林の択伐又は皆伐(林業を営むために行うものを除く。)
(オ) 水面の埋立て又は干拓
3 市長及び教育委員会は、第1項の許可をする場合において、保存地区の保存のため必要な限度において条件を付することができる。
(1) 伝統的建造物の増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の伝統的建造物の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。
(2) 伝統的建造物の移転(同一保存地区内における当該伝統的建造物の移築を含む。以下この号において同じ。)については、移転後の伝統的建造物の位置及び移転後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。
(3) 伝統的建造物の除却については、除却後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。
(4) 伝統的建造物以外の建築物等の新築、増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の当該建築物等の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
(5) 前号の建築物等の移転については、移転後の当該建築物等の位置及び移転後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
(6) 第4号の建築物等の除却については、除却後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
(8) 前各号に定めるほか、当該行為後の建築物等又は土地の用途等が当該伝統的建造物群の保存又は当該保存地区の環境の維持に著しい支障を及ぼすおそれがないものであること。
(1) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した者
(2) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した工事の注文主若しくは請負人(請負工事の下請人を含む。)又は請負契約によらないで自らその工事をしている者若しくはした者
(3) 第4条第3項の規定により許可に付した条件に違反した者
(4) 詐欺その他不正な手段により第4条第1項の許可を受けた者
(損失の補償)
第9条 市は、第4条第1項の許可を受けることができなかったことにより、損失を受けた者に対しては、通常生ずべき損失を補償するものとする。
(経費の補助等)
第10条 市は、保存地区内における建築物等及び環境物件の管理、修理、修景又は復旧について、予算の範囲内において、自ら保存のため適当な措置を行い、又は当該建築物等若しくは環境物件の所有者等に対し、その経費の一部を補助することができる。
(審議会の設置等)
第11条 教育委員会に宇和島市伝統的建造物群保存地区保存審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長及び教育委員会の諮問に応じ、保存地区の保存等に関する重要事項について調査審議し、及びこれらの事項について市長及び教育委員会に建議する。
3 審議会の委員の定数は15人以内とし、学識経験者、関係行政機関の職員、関係地域を代表する者等のうちから、教育委員会が委嘱する。
4 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 特別な事項を調査審議するために必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。
6 審議会に、必要があるときは、専門部会を置くことができる。
(委任)
第12条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長及び教育委員会が別に定める。
(罰則)
第13条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。
(1) 第4条第1項の規定に違反した者
(2) 第8条第1項の規定による命令に違反した者
附則
附則(令和5年3月20日条例第8号)
この条例は、令和5年4月1日から施行する。