○きれいなまち宇和島をみんなでつくる条例

平成17年8月1日

条例第139号

(目的)

第1条 この条例は、宇和島市(以下「市」という。)、市民、事業者及び占有者等が一体となって廃棄物等の散乱と投棄を防止し、回収等必要な措置を講じることにより、地域環境の美化と保全を図り、もって環境に配慮した市民の自発的な活動を促すとともに、清潔で美しいまちづくりに資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 空き缶等 空き缶、空き瓶、プラスチック容器その他の飲食料を収納していた容器をいう。

(2) 吸い殻等 たばこの吸い殻、チューインガムのかみかす等をいう。

(3) ごみ等 生ごみ、紙くず、粗大ごみ等をいう。

(4) 廃棄物等 前3号に規定するものをいう。

(5) 公共の場所 国又は公共団体が設置し、若しくは管理する場所をいう。

(6) 自動車 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条に規定する自動車及び道路運送車両法施行規則(昭和26年運輸省令第74号)第1条に規定する原動機付自転車をいう。

(7) 自転車等 道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第11号に規定する軽車両、同項第11の3号に規定する移動用小型車、同項第11の4号に規定する身体障害者用の車及び同項第11の5号に規定する遠隔操作型小型車をいう。

(8) 放置 公共の場所で、自動車又は自転車等が正当な権原に基づき置くことを認められた場所以外の場所に相当の期間にわたり置かれていることをいう。

(9) 放置自動車 自動車で、その機能の一部又は全部を失った状態で前号の場所に放置されているものをいう。

(10) 放置自転車等 公共の場所に放置されている自転車等をいう。

(11) ぽい捨て 公共の場所又は他人が所有し、占有し、若しくは管理する土地に空き缶等及び吸い殻等を定められた場所以外の場所に捨てることをいう。

(12) 市民 市内に居住し、又は滞在し、若しくは通過する者をいう。

(13) 事業者 市内において事業活動を行うすべての者をいう。

(14) 占有者等 公共の場所の管理者及びその他の土地又は建物を占有し、若しくは管理する者をいう。

(15) 回収容器 空き缶等を回収するための容器をいう。

(16) 落書き 公共の場所又は他人が所有し、若しくは管理する塀、建物その他の工作物に、みだりにペイント、墨、油性フェルトペン等により文字、図形又は模様をかくこと若しくはかかれた文字、図形又は模様をいう。

(17) 違反ごみ出し 宇和島市廃棄物の処理及び清掃に関する条例(平成17年条例第134号)第8条に規定する一般廃棄物処理の実施計画に違反したごみ出しのことをいう。

(18) 空き地 宅地化された状態の土地その他の空閑地で、現に人が使用していない土地をいう。

(19) 雑草等 雑草、枯れ草又はこれに類するかん木類をいう。

(20) 放置者等 自動車又は自転車等を放置した者若しくは放置させた者又はそれらに協力した者をいう。

(21) 廃物 放置自動車で、自動車として本来の用に供することが困難な状態にあり、かつ、不要物と認められるものをいう。

(市の責務)

第3条 市は、第1条の目的を達成するために、地域環境の美化及び保全に関する施策を総合的に実施するとともに、その実施について、市民、事業者、占有者等、関係行政機関及び関係諸団体に対して協力を要請するものとする。

2 市に不法投棄等防止対策本部を設置する。

(施策)

第4条 前条の施策は、次に掲げる事項とする。

(1) 市民、事業者及び占有者等に対する意識の啓発及び広報活動の推進に関すること。

(2) 廃棄物等の再資源化の促進に関すること。

(3) 環境パトロールの実施体制の整備に関すること。

(4) 占有者等に対する清掃その他環境美化等の適切な維持管理要請に関すること。

(5) 市民、事業者及び占有者等の自発的な活動の支援等に関すること。

(6) 前各号に掲げるもののほか、地域環境の美化及び保全に関すること。

(市民の責務)

第5条 市民は、家庭の外で自ら生じさせた廃棄物等を持ち帰り、又は回収容器等に収納するものとする。

2 市内に居住する者は、その居住する地域において、廃棄物等の散乱及び投棄を防止するため、相互に協力して意識の醸成を図るとともに、自らの住居周辺の清掃活動に努めるものとする。

3 市内に居住する者は、その地域に設置されているごみステーションの管理者に協力し、ごみステーション及びその周囲を常に清潔に保つように努めるものとする。

4 市民は、第1条の目的を達成するため、市が実施する施策並びに事業者及び占有者等が行う活動に協力するものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、廃棄物等の散乱及び投棄の防止に資するため、自らの事業活動に伴って排出される廃棄物等の回収及び資源化について適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 事業者は、前項に従って従業員に対する意識の啓発を図るとともに、事業所及びその周辺その他事業活動を行う地域において、清掃その他の環境美化活動に努めるものとする。

3 事業者は、廃棄物等の散乱及び投棄の防止について、消費者に対する意識の啓発その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

4 事業者は、第1条の目的を達成するため、市が実施する施策並びに市民及び占有者等が行う活動に協力するものとする。

(占有者等の責務)

第7条 占有者等は、その占有し、又は管理する土地及び建物を清潔に保つように努めるとともに、廃棄物等が投棄されることがないように、除草、囲いの設置等必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 占有者等は、その土地に廃棄物等を投棄されたときは、その廃棄物等を自らの責任で処理しなければならない。

3 占有者等は、第1条の目的を達成するため、市が実施する施策並びに市民及び事業者が行う活動に協力するものとする。

(投棄等の禁止)

第8条 何人も、道路、河川、公園その他の公共の場所又は他人が占有し、若しくは管理する場所に、みだりにごみ等を捨ててはならない。

2 何人も、みだりにぽい捨てをしてはならない。

(放置の禁止)

第9条 何人も、正当な理由がなく自動車又は自転車等を放置し、若しくは放置させ、又はこれらの行為をしようとする者に協力してはならない。

(回収容器の設置等)

第10条 飲食料を販売する事業者(自動販売機による販売を含む。)は、物品の販売によって生じる空き缶等が捨てられないように回収容器を規則で定める場所に設置し、これを適正に管理しなければならない。

2 前項の規定により回収容器を設置した事業者は、回収した空き缶等のうち再資源化の可能なものについて、その再資源化に努めなければならない。

(落書きの禁止)

第11条 何人も、落書きを行ってはならない。

2 土地、建物又は工作物を管理する者は、落書きがされているため地域の良好な生活環境を損なう状況にあるときは、管理者の責任で清浄に努めるものとする。

(違反ごみ出しの禁止)

第12条 何人も、違反ごみ出しをしてはならない。

(空き地の管理)

第13条 空き地を占有し、又は管理する者は、雑草等を放置して、周辺の生活環境を損なうことのないよう、常に空き地を適切に管理しなければならない。

(情報提供及び賞賜金)

第14条 市民及び地域団体は、第8条第1項に規定する不法投棄者を発見したときは、速やかに市長に情報提供するものとする。

2 前項に規定する情報提供のうち、不法投棄者が確認された場合は、情報の提供者及び地域団体に賞賜金を交付するものとする。

(調査、警告)

第15条 市長は、この条例の施行に必要があると認めるときは、市長の指定する職員に、当該土地及び建物に立ち入り、必要な調査をさせることができる。

2 市長は、市民及び地域団体から放置されている自動車の連絡があったとき、その他必要があると認めるときは、市長の指定する職員に、当該自動車の状況、放置者等その他の事項を調査させることができる。

3 市長は、前項の規定による調査の結果、当該自動車が放置自動車であると判明したときは、放置者等に適正な処理を促すため、当該放置自動車に警告書をはり付けなければならない。

4 第1項及び第2項の規定により調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

5 第1項及び第2項の規定による調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(指導又は勧告)

第16条 市長は、第8条第10条第1項第11条第1項第12条及び第13条の規定に違反した者に対し、必要な指導又は勧告をすることができる。

2 市長は、前条第2項の規定による調査の結果、放置自動車の放置者等が判明したときは期限を定めて、当該放置者等に対し、当該放置自動車を撤去するよう必要な指導又は勧告をすることができる。

(命令)

第17条 市長は、前条の規定により勧告を受けた者が、正当な理由がなくその勧告に従わないときは、履行期限を定めてその勧告に従うことを命じることができる。

2 市長は、前項の命令を受けてこれに従わない者については、その事実を公表することができる。

(代執行)

第18条 市長は、前条第1項の規定による命令を履行しない場合(放置自動車及び回収容器に関するものを除く。)において、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の規定により、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することができる。

2 前項の規定により代執行を行おうとするときは、あらかじめ履行期限を定めて戒告し、その期限までにその義務を履行しない者に対し、代執行を行う時期、代執行のために派遣する執行責任者の氏名及び代執行に要する費用の概算による見積額を通知する。

3 代執行のために現場に派遣される執行責任者は、本人であることを示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

4 代執行に要した費用の徴収については、実際に要した費用の額及びその納期日を定め、義務者に対し、文書をもってその納付を命じなければならない。

(回収)

第19条 第8条に規定する廃棄物等を捨てた者及び第12条に規定する違反ごみ出しをした者が特定できない場合において、それを放置することが著しく公益に反すると認められるときは市において回収するものとする。

(放置自動車の移動等)

第20条 市長は、放置自動車が、第15条第3項の規定により警告書をはり付けた日から規則で定める期間を経過した後において、同条第2項の規定による調査の結果、当該放置自動車の所有者等が判明しなかった場合(以下「所有者等不明の場合」という。)又は所有者等は判明したが住所、居所その他の連絡先が不明で連絡が取れない場合(以下「連絡先不明の場合」という。)であって、市民の快適な生活環境に著しく障害を与えていると認められるときは、当該放置自動車を別に定める保管場所に移動し、保管することができる。

2 市長は、前項の規定により放置自動車を移動したときは、その放置されていた場所に、当該放置自動車を移動した旨を表示しなければならない。

(放置自動車廃物判定委員会)

第21条 放置自動車の廃物の判定その他放置自動車の発生の防止及び適正な処理に関し必要な事項を審議するため、宇和島市放置自動車廃物判定委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、委員10人以内で組織する。

3 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱し、又は任命する。

(1) 自動車について専門的知識を有する者

(2) 学識経験者

(3) 関係行政機関の職員

(4) 前各号に掲げる者のほか、市長が必要と認める者

4 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(廃物認定)

第22条 市長は、放置自動車の所有者等又は連絡先が不明の場合は、放置自動車を委員会の判定を経て、廃物として認定することができる。

2 市長は、委員会が定める判定基準により当該放置自動車を廃物として判断したときは、前項の規定にかかわらず、委員会の判定を経ずに、廃物として認定することができる。

3 市長は、前2項の規定により認定をしようとするときは、あらかじめその旨を告示しなければならない。

(処分等)

第23条 市長は、放置自動車を廃物として認定したときは、その撤去及び処分並びに処理するために必要な措置をすることができる。

(廃物認定外放置自動車の措置)

第24条 市長は、廃物として認定しなかった放置自動車(以下「廃物認定外放置自動車」という。)を別に定める保管場所に移動し、保管することができる。

2 市長は、前項の規定により廃物認定外放置自動車を保管したとき、又は第20条第1項の規定により保管した放置自動車が廃物認定外放置自動車となったときは、所有者等に当該放置自動車の引取りを促すため、規則で定める事項を告示しなければならない。

(保管した放置自動車の措置)

第25条 市長は、前条第2項の規定による告示の日から起算して3月を経過してもなお当該放置自動車の引取りのない場合において、当該放置自動車の評価額に比し、その保管に不相当な費用又は手数を要するときは、規則で定めるところにより、当該放置自動車を売却し、その売却した代金を保管することができる。

2 市長は、前項の規定による放置自動車の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する評価額が著しく低いときは、あらかじめ告示した上で、当該放置自動車を廃物として処分等をすることができる。

3 前条第2項の規定による告示の日から起算して6月を経過してもなお当該放置自動車(第1項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)の引取りのないときは、当該放置自動車の所有権は市に帰属するものとする。

(引取通知)

第26条 市長は、保管している放置自動車の所有者等及びその住所、居所その他の連絡先が判明し、かつ、連絡が可能な場合は、当該所有者等に対し、期限を定めて当該放置自動車を引き取るよう通知しなければならない。

(費用の請求)

第27条 市長は、保管している放置自動車を引き取ろうとする所有者等又は前条の規定による放置自動車の引取通知を受けた所有者等に対し、当該放置自動車の移動及び保管に要した費用を請求することができる。

2 市長は、第23条の規定による処分等及び第25条第1項の規定による売却又は同条第2項の規定による処分等をした後に、当該放置自動車の所有者等が判明したときは、その者に対し、当該放置自動車の移動、保管、売却及び処分等に要した費用を請求することができる。

(放置自転車等の移動等)

第28条 市長は、放置自転車等に対し、放置者等が自ら移動すべき旨の告知書を取り付けることができる。

2 市長は、前項の告知書を取り付けた放置自転車等の放置者等の確認に努め、判明した放置者等への通知等必要な措置を講じなければならない。

3 市長は、第1項の告知書を取り付けた日から、規則で定める期間を超えて放置されている自転車等については、当該自転車等を撤去し保管することができる。

4 市長は、放置自転車等の中で明らかに自転車等としての機能を喪失していると認められる自転車等に対しては、直ちに当該自転車等を処分することができる。

(保管した放置自転車等の措置)

第29条 市長は、前条第3項の規定により自転車等を保管したときは、規則で定めるところにより、その旨を告示しなければならない。

2 市長は、前項の告示の日から起算して6月を経過してもなお当該放置自転車等の引き取りのないときは、当該放置自転車等を処理することができる。

(報告の徴収)

第30条 市長は、この条例の施行に必要があると認めるときは、関係者に対し、必要な質問をし、報告を求めることができる。

(委任)

第31条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(過料)

第32条 第8条第1項及び第9条(ただし、放置自転車等は除く。)の規定に違反して、ごみ等の投棄又は自動車の放置等をした者は、5万円以下の過料に処する。

2 第8条第2項の規定に違反してぽい捨てをした者は、2万円以下の過料に処する。

(罰金)

第33条 第8条第1項の規定に違反し、正当な理由がなく、第17条第1項の規定による命令を履行しない者は、30万円以下の罰金に処する。

2 第8条第2項第10条第1項及び第11条第1項の規定に違反し、正当な理由がなく、第17条第1項の規定による命令を履行しない者は、5万円以下の罰金に処する。

3 第9条(ただし、放置自転車等は除く。)の規定に違反し、正当な理由がなく、第17条第1項の規定による命令を履行しない者は、20万円以下の罰金に処する。

(両罰規定)

第34条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関して、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の罰金刑を科する。

(告発)

第35条 第33条及び第34条に該当する者があるときは、市長は、これを告発するものとする。

(許可、認可及び資格の取消し等)

第36条 市長は、前条に規定する告発を行ったとき、その者が市関係例規によって許可、認可及び資格等を有している場合は、その権利を取り消し、又は停止することができる。

(顕彰)

第37条 市は、地域環境の美化又は保全に貢献したものに対し、顕彰を行うことができる。

(施行期日)

1 この条例は、平成17年8月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、合併前のきれいなまち宇和島をみんなでつくる条例(平成15年宇和島市条例第10号。以下「合併前の条例」という。)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。

3 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。

(令和5年3月20日条例第13号)

この条例は、令和5年4月1日から施行する。

きれいなまち宇和島をみんなでつくる条例

平成17年8月1日 条例第139号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第8編 生/第3章 生/第3節 環境保全
沿革情報
平成17年8月1日 条例第139号
令和5年3月20日 条例第13号