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県指定 三浦天満神社祭礼の練り

印刷用ページを表示する 記事ID:0002302 更新日:2015年7月1日更新

県指定無形民俗文化財

三浦天満神社祭礼の練り三浦天満神社祭礼の練り

  • 所在地 三浦東
  • 所有者 天満神社氏子総代会
  • 指定日 平成一二年四月一八日

 南予地方の祭礼には、古風で内容豊かな練りが繰り出され、宇和島でも戦前は、ずいぶん豪華なものが行われていた。しかし戦災で衣装や道具が焼失するなどして、現在では、「鹿踊り」「よいやさ」「牛鬼」など、ほんの一部分しか行われなくなった。しかし、三浦天満神社の練りだけは、古来の様式がほぼ完全に保存されており、市周辺の各地でも、こうした文化財がすたれている折から、氏子総代会が保存に当たっている。

 一〇月一九日の秋祭りには、三浦の各地区から趣向をこらした古風な趣のさまざまの練りが、神社境内に集まる。境内で奉納された後、海岸をお旅所まで練っていき、ここでまた奉納される。練りの題目と受け持ちの地区は次の通りである。

 一番 お鉄砲(天満)、二番 お弓(豊浦)、三番 相撲練り(大内)、四番 鹿踊り(船隠)、五番 荒獅子(豊浦)、六番 桃太郎(尾崎)、七番 大江山(安米)、八番 欠、九番 よいやさ(船隠)、十番牛鬼(天満)

 「お鉄砲」「お弓」は、神輿や練り一行の警護役であるが、新旧の飛び道具を備えたところに特徴がある。

 「相撲練り」には、相撲の由来を語る子供行司や、豆力士たちが「ドスコイ、ドスコイ」と拍子をとりながら歌う相撲甚句、それに取り組みがある。

 「鹿踊り」は、五ッ鹿であるが、六拍子という、日本民謡には極めて稀なリズムで歌われ踊る。南予の他の地方の鹿踊りが主に四拍子であることを考えると、鹿踊りのリズムの原型は二拍子であったと推定される。鹿踊りの源流と考えられる仙台南部地方のものが今なお二拍子であるのと一致する。

桃太郎 「桃太郎」「大江山」は、甲胄姿も勇ましい子供武者たちが出る仮装行列であるが、衣装も豪華・優美である。これは、ともに勇壮な「荒獅子」や「牛鬼」と同様、邪気を払うという意味をもつのであろう。

 「よいやさ」は、四人の子供が輿に乗って太鼓を打つのに合わせて、そのまわりを子供たちの踊り手が面をつけて、「ヨイヤサ、ヨイヤサ」と歌いながら踊る。

 勇壮な「お鉄砲」「お弓」に始まり、途中に「荒獅子」をいれて変化をつけながら、「鹿踊り」の優雅さや、子供たちの可憐な美しさを展開し、最後は「よいやさ」と「牛鬼」であかるく豪快に、すっきりと締め括る構成美は、序破急の理論にもかなっている。


文化的景観
埋蔵文化財