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市指定 木造文殊菩薩坐像

印刷用ページを表示する 記事ID:0002256 更新日:2015年7月1日更新

市指定有形文化財(彫刻)

木造文殊菩薩坐像木造文殊菩薩坐像 一躯

  • 所在地 三間町波岡
  • 所有者 妙光寺
  • 指定日 昭和三七年一一月三日

 妙光寺は、鬼北町芝の等妙寺の末寺で、戦国の世に中野殿と称せられる岡本城主河野氏の祈願寺として、その持仏の文殊菩薩を祀ったといわれている。山号を真珠山と称するが、尊像が宝玉で飾られていることに由来する。

 文殊菩薩坐像は、文殊堂に祀られている。像高一九cmの小像で金泥仕上げ。容姿は、正面に輪宝・法塔や宝玉で飾られた豪華な宝冠を戴き、右手に剣、左手に経巻を持ち、宝玉の胸飾、納衣をまとって蓮華座に坐している。顔の作りが広く、眉が少し上がっているので知的に見える。衲衣の彩色が点々と剥落している。右足にかかる大きな衣文の衲衣からはみ出る足裏や指先の力の入れ具合がおもしろい。

 通常の文殊菩薩像は、直接獅子の背上に坐すが、本尊の獅子は、台座の下敷茄子に彫りこまれている。また、台座も宝石で飾られ、渦巻をあしらった輪光を背負っている。超小型薬師如来座像

 厨子は、内側に金箔を張りつめ、来迎柱に平三ツ斗の斗(木へんに共)を持った二重の厨子である。平成一七年に外側の厨子の中から、高さ七cmの小さな厨子に像高二・三cm、台座二・五cmの超小型薬師如来坐像が発見された。これについては、念仏鐘に「奉寄進 薬師如来御宝物江 施主当村中 寛保三癸亥(一七四三)三月吉日 京室町住出羽大掾宗味作」と見える。

 文殊菩薩は、ふつう普賢菩薩像とともに釈迦如来像の脇侍としてまつられているが、本尊のように文殊菩薩像を単独で祀ることは、平安時代に中国から伝えられ、文殊菩薩の造像が盛んになった古来知恵授与の秘仏として郷民の尊崇を集めた本尊は、聖徳太子の作と言い伝えられている。この近郷の人からは、文殊さま」といって親しまれている。


文化的景観
埋蔵文化財