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市指定 三嶋神社樹叢

印刷用ページを表示する 記事ID:0002370 更新日:2015年7月1日更新

市指定天然記念物

三嶋神社樹叢三嶋神社樹叢

  • 所在地 三間町宮野下
  • 所有者 三嶋神社
  • 指定日 昭和五八年一月二四日

 三間平野の中央、宮野下の街を臨む曽我山の山麓坂井の杜に三嶋神社がある。『豫章記』によると当社は天平年中(七二九~七四八)伊予の国主河野某により越智郡大三島の大山祇神社より勧請されたとあり、主祭神として大山祗命が祀られている。鬱蒼とした社叢林は巨樹が多く、見るからに社殿を抱きかかえるようにして守っている。

 その中で、巨大なものから西側斜面に胸高幹周(以下同)五・八m及び五・七mのクスノキ二本(宇和島市指定)が特に突出した繁茂を見せ、さらに東側裏参道沿いにある四・七mのクスノキがこれに次いでいる。続いて社殿西広場に大きい枝張りで聳え立つ三・二mのヒノキや、東斜面に三・〇mの荒々しい樹形をしたスギ、鐘楼南斜面の三・二mのカヤがある。

 この外、大径のものは、社殿前の堂々たる二・〇mのモッコク、鐘楼下の斜面に横に寝た二・五mのカゴノキ、その奥に一・九mのセンダン、これらの下斜面に二mのクスノキ二本と、裏参道に二mのイチョウと二・一mのヒノキ等が点在する。

 これら大樹の間に中及び小径木として針葉樹のスギ・ヒノキ・イヌマキ・イヌガヤ・ナギや広葉樹のイチョウなどの裸子植物があり、常緑広葉樹ではクスノキ・ツバキ・イスノキ・オガタマノキ・アラカシ・クロガネモチ・サカキ・モッコクが、落葉樹ではモミジ・エノキ・ムクノキ等が高木及び亜高木層を占めている。

 低木層はイヌビワ・アセビ・ヤツデ・ナンテン・ヒサカキ等があるが疎林で明るい。その林床には風衝で開けた西~南面に笹類が密生し、他面にはイズセンリョウ・ヤブコウジなどの低木やテイカカズラ・スイカズラ・キヅタ等のつる植物がある。草本類ではトキワツユクサ・キチジョウソウ・ノシラン・ミズヒキ・フモトシダ・ベニシダ他多種類がみられる。

 なお、東側斜面におけるモウソウチク林は荒れ、その領域は樹林へと拡大して、かつて見られた元周六〇cmもの竹は、今は見ることはできない。

 本社樹叢の特徴は、当地方に多い潜在植生であるツブラジイが見られず、暖地性の樹種が点在的に住み分けした鎮守の森を形成していることにある。


文化的景観
埋蔵文化財