○宇和島市景観条例
平成17年8月1日
条例第183号
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 景観計画区域(第7条―第12条)
第3章 大規模建築物等(第13条・第14条)
第4章 景観建築物等(第15条―第18条)
第5章 水辺、緑及び歴史文化の景観形成(第19条―第21条)
第6章 景観市民団体(第22条)
第7章 表彰(第23条)
第8章 景観協議会(第24条)
第9章 雑則(第25条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、自然と調和し、潤いと活力ある景観を守り、育て、創造することに関し、必要な事項を定めることにより、親しみと愛着と誇りをもてる美しいまちづくりを推進し、もって住環境及び市民文化の向上に資することを目的とする。
(1) 景観の形成 宇和島らしい景観を守り、育て、又は創造することをいう。
(2) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。
(3) 工作物 土地又は建築物に定着する工作物のうち建築物及び広告物以外のもので、規則で定めるものをいう。
(4) 広告物 屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項に規定する屋外広告物及びこれを掲出する物件をいう。
(5) 事業者 建築主、設計者、施工者等をいう。
(市長の責務)
第3条 市長は、景観の形成を図るため、総合的な施策を策定し、これを計画的に実施するものとする。
2 市長は、公共施設等の整備を行う際には、景観の形成に先導的役割を果たすよう努めなければならない。
3 市長は、市民及び事業者がすすんで景観の形成に寄与するよう意識の高揚、知識の普及を図るなど必要な措置を講ずるものとする。
4 市長は、必要があると認めるときは、国、他の地方公共団体及び公共的団体に対し、景観の形成について協力を要請するものとする。
5 市長は、景観の形成に関する施策の策定及び実施に際しては、市民並びに事業者の意見を反映するよう努めなければならない。
6 市長は、景観の形成を図るため、都市計画法(昭和43年法律第100号)、建築基準法等に基づく景観の形成に資する諸制度を活用するよう努めるものとする。
(市民及び事業者の責務)
第4条 市民及び事業者は、自らが景観の形成の主体であることを認識しなければならない。
2 市民は、本市が持つ地域特性に配慮し、積極的に景観の形成に寄与するよう努めなければならない。
3 事業者は、その事業活動の実施に当たっては、本市が持つ地域特性に配慮するとともに、専門的知識、経験等を活用し、積極的に景観の形成に寄与するよう努めなければならない。
4 市民及び事業者は、市長が実施する景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
(財産権の尊重等)
第5条 この条例の運用に当たっては、関係者の財産権その他の権利を尊重するとともに、公共事業その他の公益との調整に留意しなければならない。
(景観計画の策定)
第6条 市長は、景観を総合的かつ計画的に推進するため、景観の形成に関する基本的な目標を明らかにするとともに、市民等と協力してその目標を実現するための指針となる景観計画を策定しなければならない。
2 市長は、景観計画を定めようとするときは、法令に基づくほか、あらかじめ第24条に規定する宇和島市景観協議会(以下「協議会」という。)の意見を聴かなければならない。
3 市長は、景観計画を定めたときは、これを告示しなければならない。
4 前2項の規定は、景観計画の変更について準用する。
第2章 景観計画区域
(景観計画区域の指定)
第7条 市長は、重点的に景観の形成を図る必要があると認める区域を、景観計画区域として指定することができる。
2 市長は、景観計画区域を指定しようとするときは、あらかじめ当該区域の住民及び利害関係人の意見を聴くとともに、協議会の意見を聴かなければならない。
3 市長は、景観計画区域を指定しようとするときは、その旨を告示し、その案を当該告示の日から2週間公衆の縦覧に供さなければならない。
5 市長は、前項の規定により意見書が提出されたときは、その要旨を協議会に提出しなければならない。
6 市長は、景観計画区域を指定したときは、これを告示しなければならない。
(景観形成基準)
第8条 景観計画区域を定めたときは、当該景観区域ごとに景観形成基準(以下「基準」という。)を定めるものとする。
2 基準には、次に掲げる事項のうち必要な事項について定めるものとする。
(1) 建築物の高さ及び規模、敷地内における位置、色彩及び形態
(2) 工作物の高さ及び規模、位置、色彩及び形態
(3) 広告物の高さ及び規模、位置、数量、色彩、形態及び表示方法
(4) 土地の形質
(5) 木竹の態様
(6) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項
(景観計画区域内の行為の届出)
第9条 景観計画区域内において、次の各号のいずれかに該当する行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめその内容を市長に届け出なければならない。
(1) 建築物の新築、増築、改築、移転、除却、大規模な修繕若しくは模様替え又は屋根若しくは外壁面の過半にわたる色彩の変更
(2) 工作物の新設、増築、改築、移転、除却、大規模な修繕若しくは模様替え又は屋根若しくは外観の過半にわたる色彩の変更
(3) 広告物の表示、移転若しくはその内容の変更又は設置、改造、大規模な修繕若しくは過半にわたる色彩の変更
(4) 土地の区画形質の変更
(5) 土石等の採取
(6) 木竹の伐採又は植栽
(7) 屋外における物品の集積又は貯蔵
(8) 水面の埋立て又は干拓
(9) その他景観に影響を与える行為で市長が必要と認めるもの
2 前項の規定は、次に掲げる行為については適用しない。
(1) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で規則で定めるもの
(2) 災害等のため必要な応急措置として行う行為
(3) 都市計画法第4条第15項に規定する都市計画事業として行う行為
(4) 国、地方公共団体及び規則で定める公共的団体が行う行為
(5) 通常の管理行為として行う段畑の補修
(6) 区域内の住民が農業、林業、漁業等を営むために行う行為で、モノレールの新設若しくは増設又は段畑の復元若しくは新規の築造を除くもの
(7) その他市長が認めるもの
(基準の遵守)
第10条 景観計画区域内において、前条第1項に掲げる各号のいずれかに該当する行為をしようとする者は、当該行為が当該区域に係る基準に適合するよう努めなければならない。
(助言及び指導)
第11条 市長は、第9条第1項の規定による届出があった場合において、当該届出に係る行為が基準に適合しないと認めるときは、当該届出をした者に対し、景観の形成を図るため必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導することができる。この場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ協議会の意見を聴くものとする。
(空き地の管理に関する要請)
第12条 市長は、景観計画区域内の空き地が当該区域の景観の形成に支障を及ぼしていると認めるときは、当該空き地の所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)に対し、景観の形成に配慮した管理を行うよう要請することができる。
第3章 大規模建築物等
(助言及び指導)
第14条 市長は、前条第1項の規定による届出をした者に対し、景観の形成に資する必要があると認めるときは、必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導することができる。この場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ協議会の意見を聴くものとする。
第4章 景観建築物等
(景観建築物等の指定)
第15条 市長は、景観の形成に重要な価値があると認める建築物等を景観建築物等(以下「景観建築物」という。)として指定することができる。
2 市長は、景観建築物を指定しようとするときは、あらかじめ協議会の意見を聴くとともに、規則で定めるところにより、当該所有者等の同意を得なければならない。
3 市長は、景観建築物を指定したときは、当該景観建築物の名称、所在地、所有者等その他必要な事項を告示するとともに、規則で定めるところにより、その所有者等に通知するものとする。
(指定の解除)
第16条 市長は、景観建築物が朽廃、滅失等により景観の形成上の価値を失ったと認めたとき、その他特別の理由があると認めたときは、景観建築物の指定を解除することができる。
2 景観建築物が、文化財保護法(昭和25年法律第214号)その他の法令(条例等を含む。)の規定により文化財等に指定されたときは、当該景観建築物の指定は解除されたものとする。
(現状変更等の届出)
第17条 景観建築物の所有者等は、当該景観建築物の現状を変更し、又は当該景観建築物に係る所有権その他の権原を移転しようとするときは、規則で定めるところにより、あらかじめその旨を市長に届け出なければならない。ただし、通常の管理行為若しくは軽易な行為又は災害等のため必要な応急措置として行う行為で、景観の形成に支障を及ぼすおそれがないものについては、この限りでない。
(助言及び指導)
第18条 市長は、前条の規定による届出があった場合において、当該届出に係る行為により景観建築物の景観の形成上の価値が損なわれるおそれがあると認めるときは、当該届出をした者に対し、景観の形成を図るため必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導することができる。この場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ協議会の意見を聴くものとする。
第5章 水辺、緑及び歴史文化の景観形成
(水辺の景観形成)
第19条 市長及び市民等は、河川、海岸等の環境の保全に努めることにより、潤いある水辺の景観形成を図るものとする。
2 市長は、必要があると認めるときは、当該河川等を管理する者に対し、景観の形成について協力を要請するものとする。
(緑の景観形成)
第20条 市長及び市民等は、恵まれた豊かな緑地、樹林等の保全及び育成に努めることにより、緑の景観形成を図るものとする。
2 市長は、必要があると認めるときは、当該緑地等を管理する者に対し、景観の形成について協力を要請するものとする。
(歴史文化の景観形成)
第21条 市長及び市民等は、本市の景観の形成にかかわる歴史的文化的なものを保全し、及び管理することにより、歴史及び文化にはぐくまれた景観形成を図るものとする。
2 市長は、必要があると認めるときは、当該対象物を管理する者に対し、景観の形成について協力を要請するものとする。
第6章 景観市民団体
(景観市民団体の認定)
第22条 市長は、一定の地域において、優れた景観の形成を図ることを目的とした市民が構成する団体で、次に該当するものを景観市民団体(以下「市民団体」という。)として認定することができる。
(1) その活動が当該区域の景観の形成に有効であると認められるもの
(2) その活動が当該区域の多数の市民に支持されていると認められるもの
(3) その活動が関係者の所有権その他の財産権を不当に制限しないもの
(4) 当該団体の規約が、規則で定める要件を満たしているもの
2 前項の規定による認定を受けようとする団体は、規則の定めるところにより、市長に申請しなければならない。
第7章 表彰
(表彰)
第23条 市長は、景観の形成に著しく寄与していると認められる建築物及び工作物について、その所有者、設計者又は施工者を表彰することができる。
2 市長は、前項に掲げるもののほか、景観の形成に著しく貢献したものを表彰することができる。
第8章 景観協議会
(景観協議会の設置)
第24条 景観の形成に関する事項を協議するため、宇和島市景観協議会を置く。
2 協議会は、次に掲げる事項を協議する。
(1) 景観計画に関すること。
(2) 景観計画区域に関すること。
(3) 景観建築物に関すること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、景観の形成に関する重要事項
3 協議会は、前項に規定する事項のほか、景観の形成に関する事項について、市長に意見を述べることができる。
4 協議会は、委員15人以内で組織する。
5 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 第4項の規定にかかわらず、特別の事項を協議するため必要があると認めるときは、その協議の間、臨時委員若干人を置くことができる。
第9章 雑則
(委任)
第25条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年8月1日から施行する。
附則(平成19年3月27日条例第19号)
この条例は、平成19年4月1日から施行する。