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宇和島の人~清家 由佳 さん

記事ID:0095123 更新日:2024年4月30日更新 印刷ページ表示
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 宇和島を芸術のまちに

アトリエ ぱれっと 代表、

一般社団法人キャンバス 代表理事

清家 由佳 さん

 

Profileプロフィール

 「宇和島を芸術のまちに」をコンセプトに宇和島市を拠点に活動。18年間の教員生活で「将来芸術では食べていけない」と考えている保護者を多くみて、芸術の道に進みたい子供たちの可能性を少しでも広げられるようにと2010年「アトリエぱれっと」を開業しました。
 初めは9坪程度の絵画教室でしたが、生徒数も増え、世界で活躍するアーティストや芸大に挑戦する環境作りのために規模拡大へ向けたクラウドファンディングへ挑戦し、目標金額を越える支援によって現在の新「アトリエぱれっと」を完成させました。
 「一般社団法人キャンバス」も設立し、「誰一人取り残さない」というSDGsの考え方に基づき、地域の様々な団体やグループからの要請に応じて、「出張体験講座」を実施しています。

学びの場所づくり
 「絵では食べていけないよ。」
 学びたくても学びたい方向に進めない子どもたちにたくさん出会ってきました。人間やっぱり、本当にやりたいこと、それを仕事にできた方がその子の人生、幸せだろうと思う。でも、このままでは南予の子どもたちは芸術の方面に行きたくても諦めてしまいます。学ぼうと思っても、松山だったり、県外へ行かないと学べなかったりして経済的にも大変でした。だから、学べる場所を作ろうと思ったんです。
 そして、ここを卒業していった子たちが帰ってきたくなるようなまち、カッコいいまちにしたい。どうしたら子どもたちが帰ってきたくなるようなまちになるか考えた時に、それがアートの力なんじゃないかと思ったんです。
 「宇和島に帰ってきても何もないから」という若者が多いけど、県外の人にも自慢できるような、今の若者も魅力に思えるような核となるものがあればいいな。
 そんなものを今ここで卒業していった子どもたちが帰ってきて、宇和島をもっと魅力的に活性化していくような人材になってくれたらいいなと思っている。そのためには、私たち大人が今、この子たちが帰ってきたくなるような道づくりしてあげてそこに今の子どもたちが世代交代をして受け継いでくれたらいいなと思うんです。
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人が集まる場所になっていくために
 今の大人が危機感を持たないといけない時期まできている。何もしないとただ衰退していくだけ。私一人だと何の力もないが、キャンバスの設立のために約50人の講師の方が協力するよと集まってくれた。地域にはスキルの高い人がいっぱいいるんです。何かを習おうと思ったら遠方まで行かなければならないと思ってたけど、実はできる方はおられて、そういう方が地域の方に伝えていく、教えていく環境さえできたら、子どもたちが帰ってきたくなるまちになるのかな。
 子どもたちが帰ってきたら働く場所もないといけない。そこからさらに人が集まる場所になっていく。そのためにもアートの力が絶対必要だと、私は思い込んでいます。
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子どもたち本人がアーティスト
 学びたい、向上心のある時っていいじゃないですか。学べる場所や機会が少ないだけで。
 「地域の学び舎」は子どもたちの場所の格差をなくしたいと思っています。本物のアーティストとリモートでつないだり、きっかけ作りみたいなものをしたいと思っています。行政とは別の角度から、私たち民間でもがんばらんといけんなと思っています。
 その取り組みの一つで「芸育プロジェクト」をしている。造語ですが、芸術で子どもたちを育て、現代社会でもっとも必要な「心の豊かさ」を作り未来の地域を元気にするプロジェクトです。子どもたち本人が描いたものを商品にしていく。諦めていく子どもたちが小さい頃から認められていく経験をすると保護者の方のアートに対する見る目も変わってくるかなと思って。そういう仕事もあるんだよと経験をさせてあげたい。そのきっかけづくりです。
写真D
アートに正解はない
 写真みたいに描くのが正解だと思っている人が多く、抽象的な絵は「何を描いてるか分からん。」と評価されやすい。
 でもアートには正解もないし、答えもないことを知ってほしい。
 その人の思う描き方で表現しているだけであって描き方の正解はないんです。そういう感覚を認めてあげてほしい。芸術の道へ進もうと思っている子たちのほとんどが「親」が褒めてくれたからと答えます。褒めてくれるのが嬉しくて、いっぱい絵を描こうと思った。身近な大人の言葉は子どもにコンプレックスを持たせたり、自信を持たせたり。とても大きな存在です。せっかく好きな表現をしているのに自信をなくしてしまうこともあるわけです。だから育まなくてはいけない。
 答えのない世界で何かを作り上げていく面白さ、真っ白なキャンバスの中に自分だけの世界を表現する楽しさ、子どもたちの潜在能力や可能性を引き出せるような場所をこれからも作っていきたいと思います。
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​取材(令和5年1月31日):市民課 加藤

 

#子ども #学び #移住

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